(社)大阪府トラック協会の南大阪支部(坂中良郎支部長)は、さる4月2日、住吉・住之江トラック協議会、近畿交通共済協同組合と共同で平成23年度春の「プロドライバー交通事故0大会」を開催し、約150名のプロドライバーが参加して点呼時のアルコール検知器義務化を前に、望ましい飲酒習慣の育成などについて講習を受けました。
今回は、シンク出版も講習のお手伝いをしましたので、その概要を報告します。
「今後は、残酒でも一切仕事ができなくなる」と強調
大会は、住之江公園駅前のオスカードリーム3Fホールで開催され、住吉・住之江地区のドライバーを中心に約150名が参加しました。
冒頭では、交通安全ビデオ「気をつけろ!危ないぞ」(全国トラック交通共済協同組合連合会企画)を上映したあと、主催者を代表し、杣正(そま ただし)住吉・住之江トラック協議会長と坂中良郎支部長の両氏が挨拶を行いました。
両氏は、「運送業界では、東北地方太平洋沖地震に当たり即日、緊急輸送体制をとって被災地へ救援物資を送り続けており、トラック輸送の重要度が再認識されていますが、それだけに責任も大きいものがあります。
厳しい情勢のなか被災地救援に携わっておられる皆さんには深く感謝します」と救援輸送への労をねぎらうとともに、「震災の影響で5月1日に延期されたものの、間もなく点呼時におけるアルコール検知器の使用が義務化がスタートします。
今後は翌日の酒気残りであっても厳しくチェックされ、一切乗務ができなくなります。飲酒運転が発覚すれば事業停止処分を受ける恐れもあり、今までとは違う厳しい管理体制におかれることを自覚していただきたい」と警鐘を鳴らしました。
「飲酒習慣の危険度」を実際にチェック
続いて、シンク出版発行のドライバー教育用冊子「飲酒習慣の危険度をチェックしよう」を配布して、実際に会場のドライバー全員に、自分自身の飲酒習慣についてチェックしてもらいました。
編集部から、「プロドライバーである皆さんは、もちろん飲酒運転は絶対にしないという決意で運転されていることでしょうが、前日のお酒が残り、翌朝にわずかでも酒気帯びとなる恐れがあることに気づいておられるでしょうか?」と呼びかけ、「すでにバス事業者では、前夜の残酒により当日乗務できないといった事例が数多く見られる」ことを紹介し、自分自身の飲酒習慣を見直すことの重要性をアピールしました。
こうしたチェックをすることによって、自分自身の飲酒習慣が危険な領域にないかを知ることの大切さを理解してもらうととともに、1日の飲酒量は一単位(アルコール20g)程度にとどめること、週に2回は休肝日を設けること、アルコール依存症の危険などを解説しました。
そして、冊子の裏に「自分自身の飲酒習慣の改善目標」を記入し、会社や家族に宣言して努力していただくように訴えました。
「4月は例年事故が多発」と注意を促す
最後に、大阪住之江警察署の西島定治交通課長が管内の交通情勢や多発事故傾向などについて解説し、「大阪府下では、3月末現在で交通事故死者数が前年比8名増と厳しい情勢にあり、とくに貨物車による事故が46%と多発しています。また、見通しの悪い交差点などで自転車や二輪車の飛び出しによる出会い頭事故が多発傾向にあります」と指摘しました。
今後の安全運転のポイントとして「4月は新入学のシーズン。新1年生は不慣れな登校での危険が多く、中高校生も新しい登校ルートや自転車通学を開始するなど変化の季節で、道路上での交通行動に警戒が必要です。例年4月は交通事故が増加する時期ですので、児童・生徒にも十分な配慮をして運転していただきたい」と注意を促しました。
その後、澤田運輸㈱の澤田三典氏が交通事故ゼロを誓う「安全運転宣言」を行い、西島交通課長に宣言書を提出して、大会の幕を閉じました。