2012年

12月

04日

第16回交通大学を開催2

第二講座 大脳白質病変と運転機能の低下

高知検診クリニック 脳ドックセンター長 朴 啓彰

 

 第二講座は第一講座に引き続き、朴先生が「大脳白質病変と運転機能の関係」について講義を行いました。

白質病変のドライバーは交差点事故が多い

 これまで、軽微(小さな)な白質病変は検査しても発見できず、白質病変と運転との関係は、研究が進んでいませんでした。


 しかし、MRIのフレア画像をみることで軽微な白質病変も発見できるようになり、白質病変と運転との関係もいろいろなことがわかりつつあります。


 その一つに、白質病変と交通事故形態の関係があります。この関係をみるために、脳ドックに来られた3,930名の患者さん(21~87歳)に対し、過去10年間にどのような交通事故を起こしたかを調べました。


 その結果、軽微な白質病変の方でも、健常者に比べ、交差点事故を起こすパーセンテージが高いことが判明しました。


 白質病変を持つドライバーは、普段は何事もなくても、いざという時に情報伝達が遅れるために、交通事故を引き起こしている可能性があると考えられます。

白質病変は認知機能を低下させる

 また、実際に白質病変が運転にどのような影響を与えるのか、認知機能の検査を行いました。

 

 注意機能をみるために、アクセルとブレーキの反応検査を行ったところ、白質病変の方は「見落としや見誤り」、「アクセルとブレーキの遅れ」など、注意機能の低下が見られました。

 

 また、動体認知を診断する検査においても白質病変のドライバーは、健常者に比べ成績が低下することがわかりました。

実車を使っての研究も進んでいる

 白質病変と運転行動の関係を調べるために、実車を使った研究も進めています。


 ドライバーに負荷を与えるため、スピーカーから流れてくる計算問題に答えながら、実車を運転してもらいます。その際の発進や速度維持、合図といった運転挙動を調べました。


 その結果、白質病変のドライバーは危険運転のスコアが高くなり、重大な危険運転の回数も増加するという結果が出ています。


 またハンドルのブレを測定したところ、白質病変のドライバーは、右折時にハンドル角のブレが大きくなりました。なぜ、こういった安全運転に好ましくない結果になるかは現在研究中ですが、情報処理の機能低下が原因の1つと考えられます。

白質病変ドライバーは高速道路を逆行・逆走しやすい可能性も

 白質病変と高速道路での逆行・逆走の関係も調査しました。脳ドックの受診者4,514名にアンケート調査を行った結果、10名の方に高速道路を逆行・逆走した経験があることがわかりました。


 事故を起こした経験のある方の脳のMRIを見ると、8割の方が白質病変であるということがわかりました。


 このように、いろいろな実験や調査結果から白質病変と運転には多くの関係性が見られます。運転は、もとはといえば脳でするものであり、脳の研究が交通事故防止に役立つと考えて今後も研究を進めていく所存です。

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