2013年

9月

30日

夜間事故の危険を意識しよう①──下向きライトの危険

 夜間の交通事故では歩行者の死亡事故率が非常に高くなります(昼間は1.2%、夜間は4.4%)。死亡事故件数からみても歩行者の夜間死亡事故は、昼間の倍以上発生しています。

 とくに下向きライトのとき死亡事故が発生しやすいことが明らかになっていますので、今回は下向きライトによる事故の危険をまとめました。

 

上向きライトが正式なライト

 ヘッドライトの「走行用ビーム」と呼ばれる正式な灯火は上向きライトの状態をさします。下向きは「すれ違い用ビーム」であり、対向車などに眩しくないよう配慮して減光している状態ですから、対向車や前走車などがいなくなったら、すぐに上向きに戻す必要があります。
 ところが、対向車が絶えない道を走行する機会も多いので、いつの間にか下向きライトが当たり前になってしまい、そのまま暗い郊外道路に入っても減光したまま走行する車が多いようです。このことも、歩行者事故多発の要因と言われています。

 夜間の歩行者死亡事故のほとんどは下向きライトの車が起こしているという統計データがあります。上向きライトであれば 100m先が見通せるので、横断歩行者などを発見してもブレーキを踏むことが可能です。このため、衝突しても死亡事故には至らないケースが多いのですが、下向きライトでは40m先しか照射しないので、死亡事故となる危険性が高まります。

歩行者死亡事故の大半が下向きライト

 茨城県警察本部が平成25年1月~5月の歩行者死亡事故を調査したところ、夜間事故(21件)のうち100%が「ライト下向き」状態での事故で、上向きライトの死亡事故は1件もありませんでした。

 同県警の調査では、下向きライトの死亡事故のうちライトが上向きであれば事故が回避できた可能性のある事故が 67%もありました。

下向きライトにより損害賠償責任を負った例もあります

下向きライト

 夜間上向きライトで走行しなかったために、加害者としての賠償責任を認定され、多額の損害賠償の支払いを命じられた判例があります。
 
 平成13年3月、福岡県若宮町(現宮若市)の九州自動車道で酒気帯び運転の車(男性58歳)が脇見運転で追突事故を起こしましたが、追突された車に乗っていた母子2名が外に出たところに、ライト下向きで速度超過した後続車が高速で衝突し、この母子2名はともに生涯介護の重度後遺障害となりました。


 後続車の運転者(女性37歳)は業務上過失傷害罪で起訴されましたが、1、2審とも「街灯のない高速道路でライトの消えた事故車に気づくのは不可能だった」として過失を否定し、無罪が確定しました。


 しかし、被害者側が総額6億5,600万円を求めた民事訴訟では、裁判官は「暗い高速道路を走る際、制限速度を守って前照灯を上向きに走行していれば、事故を回避できた可能性がある」と指摘しました。

 ライト下向きでスピード超過をしていた過失責任を重く見て、酒気帯びの運転者との共同不法行為と認定され、連帯して3億4,100万円の損害賠償金の支払いを命じる判決が言い渡されました。

(福岡地裁 平成18年9月28日判決/判例時報1964号127p)

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