7月の運転管理 … 2014(平成26)年

安全意識を高めて事故ゼロを目指そう

 7月は1日から全国安全週間が実施されます。また、交通安全面では都道府県単位で夏の交通事故防止運動などが行なわれますので、積極的に安全活動を展開していただきたい時期です。

 

 気温が上昇し過労運転などの心配も多い時期ですので、安全指導を徹底して夏の交通事故防止をはかりましょう。

7月の安全運転目標
○過労・居眠り運転
 を防ごう
○生活道路の安全

7月の管理重点目標
○全国安全週間の実施
○危険箇所、事故多発
 地点の洗出し

7月の健康管理目標
○十分な睡眠をとると
 ともに、熱中症の予
 防を目指そう 

 


安全運転管理

■7月の安全運転目標

■過労、居眠り運転事故を防ごう

 7月は、暑さによる体力の消耗や日焼けなどにより疲労がかさみ、過労運転事故や集中力低下によるうっかり事故などが増加します。

 長距離運転ではいつもより早めに休憩するなど、自分の体調をコントロールするように心がけましょう。

 

 また、昼食後の一瞬の居眠りやボンヤリ運転にも気をつけてください。

新名神追突焼死事故

こんな事故が起こっています
大型トラックが軽乗用車に追突、2人が焼死

 2014年7月17日未明、滋賀県甲賀市の新名神高速道路で軽自動車、大型トラック、乗用車など3台が関係する事故があり、2台が炎上して軽乗用車の乗員2人が死亡しました。
 軽乗用車に追突した大型トラックの運転者は自動車運転過失致傷罪で現行犯逮捕されましたが、事故の原因は居眠り運転とみられ、過労に結びつく運行指示がなかったか運送会社(柏原市)も捜査されました。
 
 その結果、事故前の1か月間、トラック運転者は1日最大7時間以上の時間外労働をさせられていたことが判明、大阪羽曳野労働基準監督署は運送会社の業務課長と法人としての会社を書類送検しました。

■事故の教訓
 会社の指示で長時間運転を行い居眠り運転や過労運転が発生した場合、企業も道路交通法違反や労働基準法違反に問われ処罰されます。刑事罰だけでなく厳しい行政処分が待っています。

 しかし、たとえ会社の責任が立証されても、死傷事故を起こした運転者の責任が軽くなるわけではなく、運転者本人にも厳しい刑が下されます。
 自らの命と生活・仕事を守るために、疲れているときには「勇気を持って眠る」姿勢を持つことが必要です。

 

生活道路

■生活道路での安全運転を徹底しよう

 夏休みを控えて、子どもの活動が活発になっています。とくに生活道路では子どもたちの行動に十分な注意を払ってください。

 

 幹線道路などが混雑すると、カーナビなどを参考に抜け道を探して、安易に生活道路に入る車が少なくありません。しかし、実勢速度は20キロ程度になり、速く抜けられる保証はありません。歩行者や自転車が飛び出す危険が大きいので、なるべく生活道路の走行は避けましょう。

 

 やむを得ず狭い生活道路を走行する場合は、十分にスピードを落とし、見通しの悪い場所では停止して安全確認をすることが重要です。とくに「ゾーン30」などの標識がある場所は注意してください。

 

■7月の管理重点目標

■全国安全週間に沿った安全活動を実施

 全国安全週間(1日~7日)に沿って、安全活動を実施しましょう。本年度のスローガンみんなでつなぎ 高まる意識 達成しようゼロ災害

 下表はある企業の活動例です。「国民安全の日」以外はとくに決まった日はありません。自由にご参照ください。

 

  活  動  例

1日

(火)

国民安全の日

 トップが率先して声をかけ、安全週間の目的と意義を理解してもら

います。また、交通事故・災害ゼロ宣言などを実施します。

2日

(水)

設備、作業場の危険点検の日

 車両・フォークリフト等の点検整備を徹底し、駐車場、会社出入り

口などの危険箇所チェックを実施します。

3日

(木)

安全作業手順確認の日

 車両の一方通行、一時停止・徐行箇所、フォークリフトの作業手順

など、安全面での規則、手順の確認をします。

4日

(金)

安全教育の日

 ヒヤリ・ハット体験や事故事例を元に安全運転教育を行いましょう。危険予測訓練なども重要です。夏休みの子どもなど、歩行者事故防止

の安全指導も行ってください。

5日

(土)

非常時訓練の日

 非常時・災害時、大事故発生時の対応について訓練を実施します。

 消火訓練や救護訓練だけでなく、ヘルメットや関連機器点検、車両

の発炎筒・三角表示板などの搭載チェックをしておきましょう。

6日

(日)

● 家庭内の安全を考える日

 家族と一緒に生活環境のなかでの安全・事故防止について考えましょ

う。また、災害時の避難場所や連絡方法などを話し合っておきます。マイカーやバイク・自転車などの点検を実施することも大切です。

  7日

 (月)

● 安全大会の日

 職場における安全活動や準備期間(6月)中の安全点検の報告などを行い、長年の無事故・無違反運転を続けるドライバー、フォークリフトオペレーターやゼロ災職場への表彰を実施しましょう。

 

■危険箇所の洗い出しをしよう

 安全週間で皆の意識が盛り上がっていますので、とくに危険箇所の洗い出し活動などは徹底的に行いましょう。

 事務所の周辺の道路で右左折時に死角が大きい場所、歩行者の飛出しにあった場所、過去に交通事故が発生した場所など、口頭の指導で終わらないで、危険マップなどを張り出すことで運転者の意識が変わります。

 

 ある事業所では、危険箇所マップにグーグル・マップのストリートビュー写真を貼り付けて掲示したところ、「現場の様子がわかりやすい」と好評でした。

 本来であれば、現場に行って写真をとってきたいところですが、危険ポイントが多い場合はインターネット情報を活用するのも一案でしょう。

■7月の健康管理目標

十分な睡眠をとろう

 暑くなり、運転にとって一番の危険は、眠気・疲労であり、眠気を防ぐもっとも重要な手段は前夜の睡眠を十分にとることです。

 睡眠環境を整え、快適な眠りを確保するため以下のような工夫をしましょう。暑い時期でも睡眠の努力を怠らない人は安全運転が確保できます。

 

 ○できるだけ6時間以上の睡眠を確保する

 ○就寝前に飲酒をしない。夜間に体温が上昇し

  交感神経を刺激し、かえって睡眠が乱れる

 ○冷感を高める寝具に取り替え、寝付きをよくする

 ○睡眠の少し前はぬる目の入浴をして身体をリラックスルさせる

 ○就寝場所を静かに暗くして、心地よい睡眠を確保する

 ○睡眠中の激しいイビキなどがあれば、耳鼻科を受診する

 

熱中症を予防しよう

 運転中に熱中症にかかると、もうろうとして事故を起こす危険もあります。

 

 暑さ指数を調べて、熱中症予防策をとりましょう。暑さ指数(正式にはWBGT=湿球黒球温度)は、湿度、輻射熱、気温の3つを取り入れた指標で、熱中症を警戒するうえで重要な情報になります。

 WBGTが高くなる恐れのある場合は、冷房等で気温や湿度を下げ、無理な作業を止めて休憩を増やしてください。

 水分・塩分のまめな補給も重要です。

 環境省のインターネットWEBサイトまたはNHKのWEBニュースでは、各地のWGBTと熱中症危険度をリアルタイムに調べることができます。

 

 熱中症にかかりやすいのは、一般には幼児や高齢者と言われますが、成人でも糖尿病、高血圧症、心疾患、腎疾患などに罹患している人はリスクが高いと言われていますので、炎天下の運転や荷役作業には注意してください。

 

■その他の管理・指導項目

【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ

陸運業の労働災害

労働災害防止キャンペーン<貨物>

 陸上貨物運送事業労働災害防止協会では7月の1か月間、自動車運送事業者の労働災害を防止するため夏期労働災害防止強調運動を実施します。

 

 トラックドライバーの労働災害の約7割は荷主・配送先の事業所で発生しています。事故類型を見ると、交通事故は全体の7.5%で、荷台等からの墜落・転落、動作の反動・無理な動作、転倒、フォークリフト等の荷役運搬機械災害といった荷役作業時における労働災害が約7割を占めています(※1)。

 

 同協会では、トラック事業者が荷主等と密接なコミュニケーションをとって、荷役現場における転落・転倒などの危険箇所をチェックし改善措置をとると共に、運転者・作業者に安全教育を実施するように呼びかけています。

※1「荷役作業安全ガイドランのあらまし」平成25年9月陸災防発行より

車内事故キャンペーン

車内事故防止キャンペーン<旅客>

 乗合バスを中心に7月の1か月間、車内の乗客事故を防止するためのキャンペーンが実施されます。

 

 国土交通省の統計によると、乗合バスの車内事故(死傷事故)は平成24年中に262件発生し、重傷者が32.7%、軽傷者が67.3%で24年中の死者はゼロでした。

  車内事故の原因分析では、「乗客の不安定姿勢」がトップで34.0%(89件)、ついで「急ブレーキ」が29.8%(78件)、「車室外(開扉等)」11.1%(29件)、その他となっています(※2)。

 

 各地のバス協会では、ドライバーがアナウンスなどを活用して走行中の乗客安全確保を徹底するとともに、急ブレーキや急発進などを控えるよう教育を呼びかけています。

※2「自動車運送事業用自動車事故統計年報─平成24年平成26年2月発行より


■7月の管理ごよみ ──2014年/平成26年──

日  付 行 事 等

1日(火)

・国民安全の日──交通事故、火災、産業火災などの日常生活を脅かす災害の防止を目的に、総理府が1960年(昭和35年)に制定。

1日(火)~

7日月)

・全国安全週間──平成26年度 スローガン

 みんなでつなぎ 高まる意識 達成しようゼロ災害

詳しくは、厚生労働省または中央労働災害防止協会のWEBサイトを参照してください。

1日(火)~

14日月)

・Gマーク(安全性評価認定)申請受付──全日本トラック協会のwebサイトから申請用紙等をダウンロードできます。

1日(火)

31日木)

・夏期労働災害防止強調運動(トラック)

──陸上貨物運送事業労働災害防止協会が主催する災害防止活動。全国安全週間の実施と並行して取り組まれます。

 ●26年度スローガン──

「危険箇所 見つける目を養って 常に先手の安全対策」

1日(火)

31日木)

・車内事故防止キャンペーン(バス)──全国で、都道府県バス協会やバス事業者が、車内事故防止キャンペーンを展開します。

1日(火)

31日木)

・熱中症予防強化月間──熱中症の予防対応策について正しい知識を普及するため、環境省が昨年度から実施しています。

7月1日~

9月30日

・平成26年度 港湾労働安全強調期間──港湾貨物運送事業労働災害防止協会による安全運動。港湾内の事故防止活動を推進します。

 ●26年度スローガン──

「みんなでつなぎ  高まる意識  達成しようゼロ災害」

 詳しくはこちらを参照

7日(月)

・小暑、七夕、川の日

8日(火)

・7月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

16日(水)

・国土交通Day──国土交通行政の意義や重要性を国民にアピールする日。国土交通省が2001年に制定しました。

19日(土)

・勤労青少年の日(7月第3土曜日)

21日(

・海の日

23日(水) ・大暑
   
 7月中旬

・平成26年6月末における交通事故発生状況公表(警察庁)
平成26年 秋の全国交通安全運動推進要項発表(警察庁)

 7月下旬 ・平成26年度 全国労働衛生週間のスローガン・実施要綱の発表(厚生労働省)

・平成26年上半期の交通死亡事故の特徴及び道路交通法違反取締状況について(警察庁)

 

 

 ◆7月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(火) 福岡 19:33 大阪 19:15 東京 19:01
15日(火) 福岡 19:30 大阪 19:12 東京 18:57
31日(木) 福岡 19:20 大阪 19:02 東京 18:47

★「おもいやりライト=早めの点灯
  運動に取り組みましょう!
 夏至がすぎて日が短くなりはじめています。ぜひ早めの点灯を!自車の安全だけでなく他者(他車)への思いやりです。「おもいやりライト」点灯が交通事故が減らします。ぜひ習慣にしましょう。

 「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動が展開されています。


 ※詳しくは「おもいやりライト」のサイトを参照してください

 
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4月22日(月)

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