9月の運転管理 … 2014(平成26)年

秋の全国交通安全運動に参加しよう

 今月は、秋の全国交通安全運動が実施されます。積極的に運動に参加し、機会をとらえて運転者への安全運転指導を展開しましょう。

 

 また、10月に実施される全国労働衛生週間の準備期間でもあります。運転者の健康増進活動に力を入れるとともに、9月に入っても厳しい残暑が残りますので、夏の疲れからくる過労・居眠運転などには依然として注意しましょう。

9月の安全運転目標
○子どもと高齢者の
 交通事故防止

○薄暮の事故防止

■9月の管理重点目標
○秋の全国交通安全
 運動

○労働衛生週間の準備

9月の健康管理目標
○心身の問題点を早め
 に相談しよう

  

 


安全運転管理

 
 ■その他の管理・指導項目
(道交法改正など)→      ■9月の管理ごよみ 

  

■9月の安全運転目標

秋の全国交通安全運動

子どもと高齢者の交通事故を防止しましょう

 秋の全国交通安全運動の重点目標は、子どもと高齢者の交通事故防止です。とくに、最近は高齢者の横断事故が多発していますので、注意しましょう。

 

 「こんなところを歩行者が横断するはずがない」といったドライバーの思い込みが、横断歩行者の発見を遅らせることがあります。

 田んぼで農作業を終えた高齢者や、バス停からそのまま自宅に向けて横断する高齢者などが車に轢かれる事故が多発していますので、注意してください。

 

  とくに、右から横断する高齢者の事故が多発していますので注意しましょう。

■薄暮時間帯に横断妨害違反が多発

 なお、横断歩道を横断中の人をはねる「横断歩行者妨害違反」による事故も多発しています。とくに、薄暮時間帯に多く発生する傾向があります(交通事故総合分析センターの分析による)。

 薄暮時は色や明るさの変化などにより歩行者の確認が難しくなる時間帯です。秋は日が短くなるので特に要注意! 横断歩道の標示などを見たら、歩行者の存在を予測するように心がけましょう。

 

イタルダインフォメーション№100より

  ※イタルダ・インフォメーション №100より

■9月の管理重点目標

■事業所ぐるみで「秋の全国交通安全運動」に参加しましょう

 9月21日~30日にかけて秋の全国交通安全運動が実施されます。

 

 運動の基本は「子どもと高齢者の交通事故防止」。全国重点項目は、

 (1) 夕暮れ時と夜間の歩行中・自転車乗用中の

   交通事故防止

 (2) 全ての座席のシートベルトとチャイルド

     シートの正しい着用の徹底

 (3) 飲酒運転の根絶

となっています。

 運動に積極的に参加し、この機会に運転者の安全運転意識の高揚をはかりましょう。

 

 子どもや高齢歩行者の被害は横断時の事故が多いものの、通勤の車が通学路で子どもの列などに突っ込む事故も依然として発生していますので、マイカー通勤者への指導を強化しましょう。

こんな事故が起こっています
通学路で通勤のスポーツカーが暴走、児童5人が重軽傷を負う

高松自動車道追突事故

 2013年9月24日午前7時55分ごろ、京都府八幡市の府道で、一時停止のかかった交差点から、減速程度でアクセルをふかしてドリフト走行しようとしたスポーツカーが、車をコントロールできなくなりガードレールに接触したあと、集団登校の児童の列に突っ込みました
 
 この事故で、小学生5人が重軽傷を負い、マイカー通勤中の18歳の運転者が自動車運転過失傷害罪で逮捕されました。

■事故の教訓
・危険なドリフト走行──狭い通学路などで、未熟な運転者が後輪を滑らせるドリフト走行などを試みるのは極めて危険です。生活道路では、一時停止・安全速度など交通ルールをしっかり守ることを指導しましょう

 

・家族名義の車で通勤──この事故では、免許をとって1年未満の未成年が家族名義のスポーツカーを借りて、レーサー気分で通勤していたことも問題になりました。事業所でマイカー通勤を認める場合は、自分名義の車両かどうかも確認しましょう。

■労働衛生週間の準備

 今月は、10月に実施される全国労動衛生週間の準備期間となっています。

 平成26年度のスローガンはみんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」です。

 近年はメンタルヘルス対策、過重労働対策、化学物質による健康障害防止対策、腰痛・熱中症予防対策、受動喫煙防止対策などが重視されています。

 

 また、今年度は、改正労働安全衛生法が平成26年6月25日に公布されたところから、次のような内容が労働衛生上の重要目標とされています。

① 事業者は一定の危険性・有害性を有する化学物質のリスクアセスメントを

 実施すること(平成28年6月までに施行予定)

② 事業者は労働者に対し年1回のメンタル面のストレスチェックを実施する

 ・労働者数50人以上の事業場は義務

 ・50人未満は努力義務

  ストレスチェックの結果、一定の要件に該当する労働者の申出に応じて、

 医師による面接指導を実施すること(平成27年12月までに施行予定)

③ 事業者は、事業者及び事業場の実情に応じ適切な受動喫煙防止措置を講じる

 よう努めること(平成27年6月までに施行予定)

等となっています。

■9月の健康管理目標

心身の問題点を早めに相談しよう

 最近は、健康問題のなかでも心の健康が重要なテーマです。心の悩みがあると運転にも悪い影響を与えます。

 皆さんは自分自身がメンタル面で問題をかかえたとき、どのように対処していますか。重要なことは、1人で抱え込まずに身近な人に「ヘルプ」のサインを送り早めに相談することです。

 

  以下のような問題を抱えると心の健康が揺らぎがちです。

  • 納品のミス・遅れなどを上司に厳しく叱責され、ショックを感じている
  • 交通事故を起こし、被害者や会社に大きな迷惑をかけたと悩んでいる
  • 最近、配置転換されたが、業務になじめないので苦しんでいる
  • 仕事が忙しく、睡眠時間を削らないと対処できなくなっている
  • 転勤の準備と引っ越しなどが重荷で、体調が悪い
  • 家族を介護する負担がだんだん重くなり、落ち込んでいる

 

 自分自身の心のストレスをチェックするサイトがあるので気になる方は利用してみましょう。自己コントロールできない悩みもあります。早めに相談することが大切です。

■その他の管理・指導ポイント

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

環状交差点の通行ルール
     クリックすると拡大

■道路交通法の改正(9月1日施行)

 ─環状交差点の通行方法について

 9月1日に、交差点の通行方法のルールが一部改正されますので、運転者に周知しましょう。

 昨年成立した改正道路交通法の施行によるもので、以下の様に環状交差点(ロータリー)の通行方法が定められました。

  • 「環状交差点」に進入しようとするときは、あらかじめ道路の左側端に寄って徐行するとともに、交差点内を通行する車両の進行を妨げてはならない。
  • 「環状交差点」内では、右回りで徐行しなければならない。
  • 「環状交差点」内を通行中は、交差点に進入しようとする車両や交差点内を通行中の車両、横断歩行者に特に注意して進行する。

【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】

■「墜落」等の労働災害防止を呼びかけ

 ──厚生労働省

 厚生労働省は、平成26年1月~6月の労働災害(休業4日以上の死傷者数)が対前年比で3.6%(1,625人)と増加していることを受け、さる8月5日、緊急対策を実施すると発表しました。


 トラック等の陸上貨物運送事業に対しては、荷積み、荷下ろし時のトラックからの墜落をはじめとした「墜落・転落」の死傷災害が増加(同5.6%増)していることを強調し、運送事業者や荷主企業内における安全衛生活動の総点検を行うとともに、労使一体となった労働災害防止活動の実施を要請しています。

  「労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策」(厚生労働省平成26年8月5日)より
  「労働災害のない職場づくりに向けた緊急対策」(厚生労働省平成26年8月5日)より

■9月の管理ごよみ──2014年/平成26年──

日  付 行 事 等

8月30日(土)

~5日(金)
・防災週間──防災に関する対する知識を普及・啓発するとともに、防災行動へと結びつける取組みが全国各地で行われ、異常気象時における通行規制図などが自治体から配布されます。

1日(月)

防災の日──関東大震災(1923年)を教訓とし、防災意識を高めるために1960年(昭和35年)に制定されました。

1日()~

30日(火)

・「全国労働衛生週間の準備期間」

(※来月1日~7日に実施される労働衛生週間の実効を上げるため準備を行います。平成26年労働衛生週間スローガン

 みんなで進める職場の改善 心とからだの健康管理」

※詳しくは、 中災防のホームページを参照してください。

1日()~

30日(火)

・「自賠責制度広報・啓発運動」──国土交通省などが主唱し、自賠責保険・共済の重要性について積極的にPRします。特にバイクユーザーが無保険で走行しないように注意喚起しましょう。

1日()~

30日(火)

康増進普及月間──生活習慣病を予防し、健康保持と増進を図るため、厚生労働省が制定しました。最近運転者の健康問題から派生する事故が多発していますので、健康診断結果に基づく面談・保健指導なども実施しましょう。

1日()~

30日(火)

・自動車点検整備推進運動強化月間 ──9月~10月の2か月間は、国土交通省が点検・整備の重要性を呼びかけています。

3日(水)

・睡眠の日──「グ(9)ッスリー(3)」眠るからの語呂合わせです。十分な睡眠と休養が安全運転確保の基本です。

8日(月)

中秋の名月──旧暦8月15日

9日(火)

・救急の日(救急医療週間は7日~13日

9日(火)

・9月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

15日(月)

・敬老の日(祝日)

15日(月)

・日本交通医学工学研究会・学術総会──医療関係者、事故防止研究者、自動車工学研究者などが交通災害の実態を把握し、事故の減少・被害軽減などの研究活動を発表する。

 今年のテーマは「高齢者と予防安全

 会場は 名城大学・天白キャンパス。

20日(土)

・バスの日── 1903年(明治36年)のこの日、京都市で日本で初めてバス会社が本格的な乗合自動車の営業を開始したことに由来します。日本バス協会が「バスフェスタ」を開催します。

21日(日)

30日(火)

・秋の全国交通安全運動──運動の推進要綱については内閣府のWEBサイトを参照してください。

23日(火)

・秋分の日(彼岸中日)

28日(日)

・29回全国フォークリフト運転競技大会

 主催:陸上貨物運送事業労働災害防止協会

 於:埼玉県トラック総合教育センター (埼玉県深谷市黒田)

30日(火)

・交通事故死ゼロを目指す日

30日(火)

・クレーンの日──クレーン協会等がクレーン等の安全規則を公布したことを記念し制定しました。

※クレーン協会の平成26年度『クレーンの日』スローガンは

  小さなミスも大きな危険 指差し呼称でクレーン安全」

 詳しくは、同協会のホームページを参照して下さい。

※また、ボイラ・クレーン安全協会も独自標語を制定

  「確実な 手順と操作で 無災害」 

 詳しくは、同安全協会のホームページを参照して下さい。

   

9月中旬

・平成26年8月末における交通事故発生状況公表(警察庁)

9月中旬~

12月中旬

・荷主等の事業場の荷役災害防止担当者への安全衛生教育講習会(陸災防各都道府県支部)

下旬

・平成26年8月末の労働災害速報陸上貨物運送事業労働災害防止協会

 

 ◆9月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(月) 福岡 18:45 大阪 18:25 東京 18:09
15日(月) 福岡 18:26 大阪 18:06 東京 17:49
30日(火) 福岡 18:05 大阪 17:44 東京 17:27

★「おもいやりライト=早めの点灯
  運動に取り組みましょう!

 9月になると急に
日が短くなりますので、とくに早めの点灯を意識しましょう。他車や歩行者への「おもいやりライト」点灯が交通事故を減らします。ぜひ習慣にしてください。

 「おもいやりライト運動」は、夕暮れ時のヘッドライト早期点灯を ドライバーに呼びかけて交通事故を削減する運動です。横浜の運動事務局の呼びかけに呼応して全国で点灯活動が展開されています。


 ※詳しくは「おもいやりライト」のサイトを参照してください

 
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今日の朝礼話題

3月29日(金)

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