2014年

9月

01日

駐車場の管理責任

■今回の相談

 弊社では事務所の移転を予定しており、20台程度が駐車できる駐車場を整備する計画です。弊社は来客が多いのと、近所に子どもが多いので、子どもが駐車場に入ってくることも心配しています。そこで駐車場で事故が発生した場合の責任と、駐車場を整備するにあたって注意しておくべき点を教えて下さい。

■回答(清水伸賢弁護士──WILL法律事務所)

◆駐車場における事故の責任

1・原則は事故を起こした者の責任

 人と車両、あるいは車両同士の接触事故等が起きた場合、基本的には事故を起こした本人が不法行為責任等を負います。

 自社に整備した駐車場内で事故が生じた場合でも、通常の事故であれば、基本的には事故を起こした者が責任を負うため、通常の場合の第三者間の事故では、駐車場設置者の責任が問われることはあまり考えられないといえます。

2・駐車場管理者の責任

 しかし、いかなる場合でも駐車場管理者が事故の責任を負わなくて良いというわけではありません。


 民法717条第1項は、「土地の工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じた時は、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償しなければならない。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならない。」と定めています(土地工作物責任)。

 この場合の「工作物の設置又は保存に瑕疵がある」とは、当該工作物が通常有すべき安全性を欠いている状態をいうもので、物理的、外形的な欠陥ないしは不備によって他者に被害を及ぼす危険性がある状態のみならず、当該工作物の設置された場所やその周囲の状況、用途、利用状況等の諸般の事情を考慮して、当該工作物が他者に被害を及ぼす危険性がある場合も含まれると解されています。

 要するに、駐車場内に設置していた工作物やその設置状況、管理の態様等について安全性を欠いていた場合に、それが原因で他者に損害が生じた場合には、その土地を占有する者(占有する者が必要な注意をしていれば所有する者)が責任を負わなければならなくなるという可能性があるのです。

 例えば、駐車場のフェンスが倒れて駐車場内や外を通行していた人が、けがを負った場合など、駐車場の管理や設置した工作物(塀やフェンス、車止め、屋根やポール、自動販売機等)の欠陥が原因で損害が生じた場合は当然同責任が検討されますし、例えば駐車場の出入口が極端に狭くて見通しが悪いのに、交通整理やミラー等の設置などの必要な対策を採らず、それが原因で事故が発生したような場合も、その態様によっては駐車場管理者の責任追及がなされることがあります。

 さらに今回の質問のように、駐車場を設置する者が、近所に子どもが多いことが分かっており、子どもが駐車場に勝手に侵入してくる危険性を認識しながら何らの措置も採らず、それによって事故が生じたような場合、当該事故の態様等によりますが、駐車場管理者が責任を問われるような場合がありえます。

 なお、「駐車場内の事故については、弊社は一切責任を負いません。」という看板が設置されているような駐車場がありますが、同看板等が設置されていたからといって、上記の土地工作物責任を免れるわけではありません。このような告知がされていたとしても、土地の工作物や管理態様の問題で損害が生じた場合には、責任を負うことになります。

■今日の安全スローガン──

交通安全スローガン

■今日の朝礼話題──

12月9日(金

■サイト内検索──

運行管理者 ドライバー教育ツール 指導・監督の指針に沿った安全教育に最適
SSD研究所 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理
安全運転管理.COM 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理 教育資料 ドライバー教育 運転管理
物流技術研究会 トラック 研修
事故防止 メルマガ 交通安全 メールマガジン 安全運転管理 運行管理 飲酒運転 飲酒習慣 教育

当WEBサイトのコンテンツの利用、転載、引用については「当サイトのご利用について」をご覧ください。