2016年

6月

03日

うっかり「高さ」を忘れる危険に注意させよう

 

 今回は、高さの制限を忘れて衝突する危険について考えてみたいと思います。

 

 高い荷物を積んだトラック、あるいはフォークリフト、そしてクレーンアームなどを高く上げている状態では、通行できる場所に制限があります。

 

 しかし、運転作業に没頭していると、前後に動かすことやハンドル操作に意識がいって、自分の動かしている車の「高さ」に対する意識が飛んでしまうことがあります。

 

 こうした「うっかり」は、初心者はもちろんベテランでも起こしやすいので、ときどき注意を促すことが大切です。

 

■よく通る場所でも高さ制限を忘れることがある

 今回も、ある大手運送会社・T物流で撮影したフォークリフトに設置されたドライブレコーダーの映像をみてください。

 

 このフォークリフト・オペレーターはバックした際に、フォークを高く上げたままバックしたために、倉庫内の扉枠に衝突しています。

 

 

■走行時の安全操作を順守していなかった

フォークリフトオペレーターのための安全運転読本

 荷物をピッキングしたりトラックなどに積み込むとき等は、マストを高く上げる必要がありますが、走行時は転倒防止や建物等への接触を下げるため、床上から約15~20cmの高さまでフォークを下げて、マストを後ろに倒して走行するのが基本です。

 

 常にこの基本走行を守っていれば、どのような場所を通るときでも上に当たるような危険はありません。

 しかし、普段作業する場所の天井が高いような場合は、高く上げても大丈夫という意識が働き、こうした基本操作や高さへの確認行動が甘くなりがちです。

 

 作業中にいちいち下に降ろすのが「面倒くさい」と感じるようになると要注意です。

 いずれ、高さ制限を忘れてドアなどの損傷事故に結びつきます。

 

※ドライブレコーダーの画像診断について詳しくはこちらも参照 → タカラ物流システム(株)のサービス紹介WEBサイト

■車の「高さ制限事故」は社会的な損害に結びつきやすい

 フォークリフトが扉を破損させても大きな損害にはならないと考えがちですが、もし、低温倉庫などの自動ドアを破損させたような場合は、倉庫の温度管理ができなくなり、多大な商品事故に発展することがあります。

 

 また、これが公道における車などの場合は、うっかりミスから大きな社会的損害に結びつきます。

 

 事故が発生する理由は同じような「うっかり忘れ」ですが、ユニック車が電線を切断したり、ダンプが高架に衝突したり、ウイング車が配管を破損させるような事故のパターンでは、広範囲な停電が起こったり列車の運行を止めたり、化学薬品が漏洩することもあります。

 

【こんな事故が起こっています】

 

■トラックが電線を切断し、一時2600戸が停電

 平成27年9月3日午前10時半ごろ頃、島根県松江市の県道を走行中のクレーン付きトラック(ユニック車)の上げたままのクレーンが電線に引っかかり、トラックは道路わきの水田に転落しました。

 その衝撃で電柱1本が倒壊し電線が切断されたため、付近の約2600戸が一時停電する事態になりました。

 

 トラックは付近の作業場から撤去したプレハブ事務所を運んでいて、クレーンを格納するのを忘れたため、電線に引っかかったものと見られています。

■クレーン車が架線をひっかけ、

 空港アクセス鉄道に影響

 平成27年12月11日午前9時20分ごろ、愛知県常滑市内にある名鉄電車広見線の踏切で、クレーンアームを上げたまま進入したトラックが高さ4.5mの位置に張られていた架線を引っ掛ける事故が起こりました。

 人的被害は無かったものの、架線を補修する緊急工事を実施するため、同線と空港線が約2時間30分に渡って運転見合わせとなり、中部国際空港の利用客などに大きな影響が出ました。

 

 事故後、運転者は「現場で作業を終わらせた後にアームを下げ忘れてしまった」と話していました。

■注意喚起を促す仕掛けを作ろう

降車時にドアに注意喚起を促す釣り札を掛ける
降車時にドアに注意喚起を促す釣り札を掛ける

 経験深いフォークリフトオペレーターやベテラン運転者でも、作業が終わるとホッとして油断してしまい「うっかり忘れ」をし勝ちです。


 そんなときでも、クレーンの収納やリフトの高さ確認を思い出すように、働きかける仕掛けを作っておくことが大切です。

 一つは危険の「見える化」を図ることです。トラックの車内に、クレーンアームやウイングの格納忘れによる危険を伝えるステッカーを貼るのも注意喚起になります。

 

 また、降車時に車のドアにパウチした釣り札などを掛けるルールをつくり、車を動かす前に釣り札を戻して、指差確認することで収納忘れを防ぐなどの対策が考えられます。

■高さ制限の見える化

柱に高さ制限を示すテープを貼った例
柱に高さ制限を示すテープを貼った例

 倉庫内の柱の地上から1.8mなど、高さ制限の場所に10センチ幅でカラーテープを貼って注意喚起を図っている会社もあります。

 フォークリフトで後退しているとき柱を見ると、高さ制限が目に入って荷を下げなくてはいけないことに気づきやすくなります。

 また、最近は鉄道高架の手前には高さ制限ガードが設けられて、車が通過しようとしてもバーで止めるようになっている場所が増えています。

 これを真似て工場や倉庫内のドアの手前にガードを設けている会社もあります。

 

 ただし、あまり強固なガードを設置してしまうと、フォークリフトが当たったときリフトが転倒して乗員に危険が及ぶ恐れがあるので注意しましょう。

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