類似の判例1(糖尿病)

◆低血糖状態を軽視して運転継続

──ミキサー車暴走事故で禁錮2年(名古屋地裁2004年4月19日判決)

 糖尿病治療薬を原因とする意識障害を起こし、意識を失ったままコンクリートミキサー車を暴走させ、歩行者の女性3人を死傷させた29歳の女性に対する判決(業務上過失致死傷罪)です。
 名古屋地裁は「インシュリン投与後に低血糖の症状が発生した場合には、回復するまで休憩するように、と医師から注意されていたにも関わらず、意識が朦朧 としていることを理解しながらも、そのうち収まると事態を軽視して運転を続けたことが事故の発端となった」と認定し、被告に禁錮2年の実刑判決を言い渡し ています。

◆過剰投与の危険性を指摘

──運転中に意識障害を起こし禁錮1年(広島地裁2001年12月20日判決)

 糖尿病の治療のインシュリン過剰投与が原因でトラック運転中に意識障害を起こし、大学生をはねて死亡させた33歳の女性トラック運転者への判決です。  「仕事前に必要以上のインシュリンを投与、過剰投与が意識障害を招くことを認識していながら運転していたのは危険性を軽視している」として、広島地裁は運転者に禁錮1年の判決を言い渡しました。

【参考──糖尿病専門医の報告から】
■200人に1人が低血糖での事故を経験
 糖尿病患者の200人に1人(約0.5%)が、低血糖による自動車事故を経験しているというデータがあります。
 岐阜県の糖尿病専門医・安田圭吾氏らの研究によると、日常的に車を使用している糖尿病患者1009人の実態調査から、93人に運転中低血糖の経験があり、そのうち5人(5.4%、全体の0.5%にあたる)が運転時低血糖で自動車事故を起こしたことがあると回答しています。
 また、信号無視や横断歩道に気づかないなど、「ヒヤリ・ハット」を経験している人も21人いました。
 なお、運転時低血糖の経験のある患者の中で、運転前に血糖自己測定をしている人は15%のみで、運転時の低血糖予防について主治医から指導を受けたことある人も約半数にとどまっています(2006年の第49回糖尿病学会の発表資料より)。

 

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