交通事故の判例ファイル13(心神喪失による事故)―その3

意識喪失で損害賠償を命じた判例

判例5 くも膜下出血による事故で「予見可能性」を認定(民事訴訟)

 1992年7月、新潟市内で53歳の男性が自動車を運転中に、突然くも膜下出血で倒れて意識をなくし、歩行者に衝突し重傷を負わせた事故です。

 この事故で、運転者側は、運転中の突然の発作による事故で不可抗力であったとして、自賠法3条の運行供用者責任を負わない(損害賠償の責任を負わない)と主張しました。


 これに対して、新潟地裁は1995年11月29日、

「運転者は過去10年に渡って高血圧であり、当時も高血圧の薬を服用していた。過去にくも膜下出血ないし脳出血の発作を経験していなかったとしても、運転中にくも膜下出血の起こす予見不可能だったとは認められない」

として、約 980万円の損害賠償を命じました。

判例6 「心身喪失で責任能力なし」でも運行供用者責任が成立

(判例3の民事訴訟)

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 ノイローゼによる正面衝突事故被害者の遺族が提訴した民事訴訟において、一時的な心身喪失状態で死亡事故を起こしたとする加害者の男性が、民法 713条の「精神上の障害により自己の行為の責任を弁識する能力を欠く状態にある間に他人に損害を加えた者は、その賠償の責任を負わない」という条文に基づき、運行供用者責任(賠償責任)も負わないと主張しました。


 これに対して大阪地裁は2005年2月14日、加害者は事故当時「心神喪失の状態」にあった、すなわち責任能力がなかったとものと認定したものの、自賠法の趣旨から民法713条は適用しない(運行供用者としての責任は免責されない)と判示しました。


 判決理由で「自賠法3条但書は、自動車に構造上の欠陥または機能の障害がなかったことを証明しなければ運行供用者は免責されないとしているが、人の心神喪失も、車両の構造上の欠陥又は機能の障害と同様、車両圏内の要因・事情ということができるから、このような場合に運行供用者の免責を認めるのは相当でない。

 

……自賠法の趣旨等に照らすと、自賠法3条の運行供用者責任については、民法 713条は適用されないと解するのが相当である」と述べています。

 ※(判例時報1917号108頁を参照しました

それでは、事業所の刑事責任が問われた判例を見てみましょう。

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