交通事故の判例ファイル14(過労・居眠運転事故)

過労・居眠りによる9人死傷事故で、禁錮5年4か月!

◆運転者の過労を認めたものの、プロとしての責任を重視

  去る、2011年2月、東名高速道路で渋滞の車列に居眠運転のトラックが突っ込み高校生ら3人が死亡し6人が負傷した事故で、自動車運転過失致死傷罪に問われたトラック運転者(24)に対して、名古屋地裁は2011年7月8日、禁錮5年4月(求刑・禁錮7年)の実刑判決を言い渡しました。

 判決理由の中で、地裁の裁判長は、

 「眠気をもよおした後、サービスエリアなどがあるのを認識しながら運転を中止しておらず、対応にかなりの甘さがあった」

 「高速度でブレーキをかけることなく追突した過失は職業運転手として誠に重大」と指摘しました。

 

 弁護側は、「事故前の長時間の過密労働で疲労し、事故に至った経緯も考慮すべきだ」と指摘し、「禁錮3年6月程度が相当」と主張していましたが、裁判長は運転者が睡眠不足だったことは認めた上で、「疲労の原因は被告のみが責められる立場とは言えないが、会社は運行行程の細部までを指示しておらず、運転行程や休憩時間は被告の判断に任されており、過労状態を理由に被告の刑事責任を軽くするのは相当ではない」と判示しました。

 

 さらに、「高速道路で居眠り運転をして9人死傷の事故を起こした刑事責任は誠に重く、突然命を奪われた被害者らの無念は察するに余りある。過去にも違反を繰り返すなど、交通法規を軽視していると言わざるを得ない」と厳しく非難しました。

過労運転 居眠り 禁錮 実刑

◆運送会社の責任も追及され罰金刑

 この事故は2011年2月15日午後5時ごろ発生しました。豊橋市賀茂町付近の東名高速道路下り線で、渋滞中の車列最後部にいたRVに対し、後ろから進行してきた中型トラックが約80km/hの速度を保ったまま追突、多重衝突に発展したものです。

 RVに同乗していた17歳の女子高校生と18歳の同級生、47歳の母親が全身を強打して死亡。RVを運転していた44歳の女性、他車の乗員など6人が負傷しました。

 

 事故をめぐり、運転者に違法な長時間労働をさせたとして、労働基準法違反の罪で運送会社(愛知県小牧市)の営業所長(35)が5月31日に逮捕され、所長と法人としての運送会社が略式起訴されました。

 名古屋簡裁は6月10日、それぞれ罰金30万円の略式命令を出し、いずれも即日納付して使用者側の刑事処分は終了しています。

 

 愛知県警は道交法違反(過労運転及びその下命・容認)の疑いもあるとみて、運転者と使用者側を送検しましたが、名古屋地検は6月10日、運転者を起訴猶予、営業所長と運送会社を嫌疑不十分でいずれも不起訴としました。不起訴の理由を「運転者は既に自動車運転過失致死傷罪で起訴されており、所長は過労運転を下命、容認した認識が十分になかった」としています。 

(2011年7月15日更新)

 

【教訓】
 眠気を我慢して頑張っても、事故を起こせばドライバーには実刑が待っている! 
 眠いときは遅れることを覚悟し、勇気を持って、仮眠しよう!

         【過労運転・居眠運転の防止に関しては、こちらも参照】

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