ベーパーロック現象に注意 - 人と車の安全な移動をデザインするシンク出版株式会社

ベーパーロック現象に注意

 今年の5月に山形県米沢市で、定員を超す高校生ら12人を乗せたワゴン車が、スキー場に通じる管理道路の下り坂を走行中に運転操作を誤り、150m下の斜面に転落した事故がありました。


 この事故の原因について、山形県警は運転していた40歳代の男性教諭がフットブレーキを踏み過ぎたために、ブレーキの効きが悪くなる「ベーパーロック現象」が起きた、と断定しました。


 最近、あまり耳にすることが少なくなったのですが、皆さんは「ベーパーロック現象」って、ご存じでしょうか。

これは、フットブレーキを踏み過ぎると油圧系統のオイルが熱くなり、オイルに含まれる水分が気泡となって圧力が低下するために、油圧系統がコントロールできなくなってブレーキが効かなくなる現象です。「フェード現象」も同じような現象です。


 この事例をみるまでもなく、長い下り坂を走行する場合には、フットブレーキを使い過ぎると、ブレーキが効かなくなることがありますので、エンジンブレーキを併用して、極力フットブレーキを使わないようにすることが大切です。


 また、このワゴン車は定員オーバーでした。積載重量が重くなると、フットブレーキをかけてもスピードを制御することが難しくなり、さらにフットブレーキを踏むという悪循環を招きます。


 こうした事例をみると、乗車定員や積載重量を守ることが、安全運転を確保するうえでいかに重要かがよくわかりますね。

(2011年9月16日更新)

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