アレルギー性鼻炎の薬(抗ヒスタミン薬)や風邪薬を飲むと運転中に眠くなることがあるという話を知っている人は多いかもしれませんが、それ以外にもいろいろな病気の治療薬で、運転中に急に眠気が襲ったり、意識障害に陥る危険があることを知っていますか?
つい最近も、禁煙治療の補助薬「チャンピックス」という薬で意識障害事故が発生していたことがわかり、医師向け添付文書の使用上注意書きが改訂されて、服用時の車両運転を禁止するという内容の記述が追加されました(注意書きの訂正は2011年7月)。
この薬品は、ニコチン依存症の喫煙者に対する禁煙補助薬で、禁煙治療を受ける人が医師から処方されるものですが、通販などでも自費購入できます。
今まで 「自動車の運転等の際には注意すること」といった注意書きだけだったものが、「自動車事故に至った例も報告されているので、運転操作に従事させないよう注意すること」 とはっきり訂正されました。
この薬のように市販後に重大な副作用が新たに判明することは、意外に多いそうです。
市販前(認可前)の治験という人体実験は若い健康な人が対象で、人数も万全とは言えず限界があります。そこで、実際には発売後の副作用情報の収集が重要 で、いろいろな体質・年齢層の人に投与され続けることによって、「意識障害」などが発生することがわかり、薬の添付文書なども改正されます。
皆さんも、自分の飲む薬にどのような副作用があるか医師や薬剤師さんに一度聞いてみてください。意外に「運転時には危険がある」という情報を得るかも知れません。
医療関係者の中にも、患者の自動車運転などについてあまり意識していない人がいますから、念のために確認しておくことをお勧めします。
【参考】
市販薬以外の医薬品の注意書きは、一般の人に手に入りにくいのですが、薬品名がわかればメーカーのインターネット・ホームページなどでも確認することができます。
また、添付文書の記載事項が変更された場合は、独立医行政法人 薬品医療機器総合機構のホームページ「更新された添付文書情報」に掲載されます。
例 → チャンピックスの例
(2011年9月30日更新)
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