2011年11月の運転管理

■夜間事故防止の指導を展開しよう

 

 日が短くなってきました。例年、10月以降は夜間事故が多発しますが、特に11月は夜間事故の割合が増える傾向にあります。

 

 多くの地域では、日没時間が16時台と極端に早くなり、業務時間帯であっても、あっという間に暗くなります。

 早めの点灯を呼びかけるとともに、歩行者や自転車との事故が増えることに注意を促す必要があります。

◆夜間の高齢歩行者に注意させよう

■右から横断、横断歩道外横断の事故が多い


 夜間事故が発生する要因として、一つにはドライバー側の発見の遅れがあります。

 とくに、黒っぽい服装をして横断歩道以外の場所を横断している高齢者を見落としやすいことに留意させましょう。


 交通事故総合分析センターの分析によると、夕方から夜間にかけては、高齢歩行者の夜間死者数は昼間の約2倍となっています。

 事故形態としては道路の左側から横断する歩行者より右側から横断する歩行者との事故が多く、また、車が右左折後に横断歩道を通過した後、横断歩道の先を横断している高齢者の発見が遅れるようなケースも目立っています。

 

  また、小学生や中学生は16時から18時の薄暮時間帯の事故被害が目立っていますが、11月では、ほぼ夜間と言っていい時間帯です。

イタルダ・インフォメーション№87より
イタルダ・インフォメーション№87より

◆ライトの向きは「上向き」を基本にしよう

■下向きライトによる死亡事故が多発
 夜間に、暗い場所でライトを下向きにしたまま走行する車が多く、こうした誤った習慣も危険の発見遅れにつながっています。

 夜間は死亡事故のほとんどが下向きライトの状態で発生しているというデータもあります。

 

 本来、夜間の走行用ライトは「上向き」が基本であり、下向きライトは「すれ違い等の減光ライト」として、対向車や前車の眩惑を防ぐ臨時の措置であることを再度徹底しておきましょう。

 

 下向きライトの事故が多い現状から、最近、国産車の一部では、対向車がいない場合は自動的に上向きライトに戻る「オートマチックハイビーム」の仕組みを装備した車も現れています。しかし、本来はドライバー自身が前方の状況に注意して、ライトを常に切り替える意識をもつことが重要です。

■夜間の疲労を自覚させよう
 日中の仕事を終えて、心身とも疲れた状態で帰社してくる営業マンや、長い残業を終えて帰宅するマイカー通勤者などの事故が多いのは、ある意味で当然とも言えます。

 夕方から夜間にかけてパフォーマンスが落ちる状態では、運転はかなり危険な作業であることを自覚させましょう。

◆重点推進事項

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

雪道対策/車両装備の点検

 7日はもう立冬。冬に向けての車両整備等は万全かチェックする。チェーンの保管状況、スタッドレスタイヤの交換状況、冷却液・ウインドウォッシャ液の寒冷地仕様など厳寒期に向けた点検を実施する。

 ユキイロドットコムなど、道路管理者が運営する各地の雪道情報ホームページも11月にはオープンするので参考にしておこう。

 

・飲酒運転根絶に向けた管理指導

 11月~12月は飲酒運転根絶キャンペーンを展開しよう。

 最近は飲酒運転を防ぐため運転代行を利用する人も増えているが、「代行車が混んでいてなかなか来ないのでつい運転した」「お金が足りなくて途中で代行運転者を帰した」「車の中で仮眠したので大丈夫と思った」といった理由から酒気帯び運転となるケースもみられるので注意。飲酒機会のある日には車に乗って来ないことを徹底する。

 また、フェリーなどに乗船したあとで気が緩み、夜中まで飲み過ぎて、翌朝、フェリー下船時に酒気帯び運転となってしまったトラックドライバーの例もある。

 トラック・バス・タクシーなど自動車運送事業では、少しでも「酒気帯び」が発覚したら、基準値以下でも運転はできないことを再度ドライバーに強調して、「適正な飲酒量」に関する指導を行うことが大切。また、アルコールチェッカーによる検査等を徹底する。

・冬季の健康管理に向けた準備

 マスク・消毒薬・ウガイ薬・インフルエンザ予防ポスター等の配布、車内仮眠用グッズの確認など。


・年末に向けた事故防止運動準備

 年末の事故防止活動の実施担当者の確認、年末の交通安全啓蒙用の配布資料の確保、ポスター掲示の準備等をすすめる。

 

・事故防止カレンダー等の準備

 翌年用の安全運転手帳、事故防止カレンダー、職場向け標語カレンダーなどの配布を準備する。

 

【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】

正しい運転・明るい輸送運動
上は昨年の全ト協ポスター

・年末年始の事故防止指導を展開

 全日本トラック協会では、今月16日から「正しい運転・明るい輸送運動(~1月10日まで)」をスタートさせる。交通事故にかかわる以下のような重点項目の徹底を図る。
 『重点項目』
  ・的確な点呼の実施
  ・飲酒運転防止の徹底

   (アルコール検知器の適正な使用)
  ・過労運転の防止
  ・運転者の管理徹底
  ・過積載防止の徹底
  ・危険物輸送の安全確保──など

 

◆11月の管理ごよみ (2011年)

1日(火)~

30日(水)

・エコドライブ推進月間──平成18年度に策定した『エコドライブ普及・推進アクションプラン』に基づき、警察庁、経済産業省、国土交通省、環境省で構成するエコドライブ普及連絡会は11月を「エコドライブ推進月間」とし、積極的な広報を行いエコドライブ研修会などを通じて普及・推進を図っています。詳しくは、国土交通省のホームページへ。

1日(火)~

30日(水)

 

労働時間適正化キャンペーン期間──厚生労働省
 ★過重労働による健康障害を防止するために
 ★賃金不払い残業を解消するために(昭和35年)制定。

1日(火)~

30日(水)

・フォークリフト等の特定自主検査強調月間──荷役運搬機械や建設機械は資格を持つ検査者による年1回特定自主検査が必要。その啓蒙月間です(詳しくは、建設荷役車両安全技術協会のWEBサイトを参照してください)

1日(火)~

14日(月)

・「危険物の荷卸し時における相互立ち会いの推進」キャンペーン──石油、高圧ガス等の荷卸し時に荷卸側・荷受側、双方の危険物取扱者立会いを徹底(詳しくは、全日本トラック協会のWEBサイトを参照してください)。

3日(木)

文化の日

8日(火) 

立冬

8日(火)~

9日(水)

・交通安全環境研究所フォーラム2011

  会場:国際連合大学 ウ・タント国際会議場

   (東京都渋谷区神宮前)
 ☆1日目テーマ:環境・エネルギーにやさしい自動車・

  交通システムの将来像について
 ☆2日目テーマ:これからの自動車の安全と交通研の

  役割
──参加は無料だが、事前登録制。詳しくは、同研究所のWEBサイトを参照(10月13日より受付開始予定)

9日(水) ・119番の日/秋の火災予防運動(15日まで)
9日(水)  ・製品安全点検日──毎月、第2火曜日は、火二(ひに)注意/経済産業省
14日(月)

・世界糖尿病デー(国際連合)/全国糖尿病週間

 (~20日までの1週間)──1965年(昭和40年)より開始。

 (社)日本糖尿病協会により糖尿病の予防を呼びかけるイベントが行われる。

15日(火) ・七五三
16日(水)~

・第51回「正しい運転・明るい輸送運動」

 平成24年1月10日まで──全日本トラック協会主催(詳しくは、 全ト協のWEBサイトを参照してください)

20日(日)

・世界道路交通犠牲者の日(毎年11月第3日曜日)

  ──詳しくは、「全国交通事故遺族の会」のWEBサイト

 または、「道路交通犠牲者の日」世界事務局のWEBサイト

 を参照してください)

25日(金)

・エコドライブシンポジウム

  ──エコドライブ普及推進協議会の主催。13時30分~ 

 ☆基調講演「エコドライブと省エネ・安全」

  大聖泰弘・早稲田大学理工学術院教授。 → 参照PDF

23日(水) ・勤労感謝の日/小雪
28日(月)

・運輸事業の安全に関するシンポジウム──国土交通省

 会場:ゆうぽうとホール(東京都品川区西五反田)
 13時30分~17時30分(開場12:30)
 ☆テーマ:~ほめる文化としかる文化 

 ☆基調講演「認めることで"やる気"を引きだす」

  太田 肇 同志社大学政策学部教授

 

11月中旬 ・平成23年10月末の交通事故発生状況 公表(警察庁)
11月下旬

・平成24年度使用の交通安全年間スローガン発表

 (全日本交通安全協会・毎日新聞)

 

11月の日没時間

 

◆11月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(火) 福岡 17:27 大阪 17:05 東京 16:47
15日(火) 福岡 17:16 大阪 16:54 東京 16:35
31日(水) 福岡 17:10 大阪 16:48 東京 16:28
今月の運転管理
今日の安全スローガン
今日の朝礼話題

4月19日(金)

サイト内検索
運行管理者 安全運転管理者 出版物 教材

──新商品を中心に紹介しています



──ハラスメント、ビジネスマナー教育用DVDを好評発売中です

運行管理者 指導監督 12項目 トラック 貨物運送事業所
交通安全 事故防止に役立つリンク集
安全運転管理.COM 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理 教育資料 ドライバー教育 運転管理

当WEBサイトのコンテンツの利用、転載、引用については「当サイトのご利用について」をご覧ください。

弊社WEBサイト、出版物においては「普通自転車」を「自転車」と表記しております。

詳しくはこちらをご参照ください。