キリン物流東日本支社がドライバーズ・コンテストを開催

グループ会社や協力会社のドライバー52名が参加

キリン物流ドライバーズコンテスト

 さる平成23年11月13日(日)、キリン物流(株)東日本支社(輸送協力会共催)による「第4回ドライバーズ・コンテスト」が自動車安全運転センター・安全運転中央研修所(茨城県ひたちなか市)において開催されました。

 

 このコンテストは同社のグループ会社や協力会社のドライバーを対象にして、安全運転意識ならびに運転技能、積込み・荷卸し技術などの向上を目指して、毎年開催されているものです。

 なお、キリン物流の西日本支社では、タカラ物流システム㈱、アサヒロジ(株)などとの共同開催でドライバーズ・コンテストを始めました。

 その後も、同社の西日本支社はクレフィール湖東で三社共同開催していて、物流技術研究会の会員企業なども参加しています。

 平成20年度よりドライバーズ・コンテストを開始した東日本支社管内は、別プログラムによる単独開催でスタートし、平成21年からは東日本支社輸送協力会との共催となっています。

日常の安全意識を問う実務的な学科試験

 今回は52名のドライバーが参加し、①筆記試験、②フォークリフト積込み・荷卸し競技、③受付対応競技、④運転競技の各部門で日頃の実力を競い合いました。

 

 ①の筆記試験では、交通法規を問う設問もありましたが、多くは同社の作業標準を基本とするもので、伝票の取扱い、荷積みや荷卸し時の対応、構内での煽りやウイング操作など、現場で安全作業を徹底しているかを問う実際的な問題が多くなっています。
 一般的なドライバーコンテストの学科試験とは違い、業務の中で発生しやすい事故の危険性を理解していないと正答できない問題が多く、なかなか勉強になる内容でした。

積込み・荷卸しのリフト安全作業を競う

   べニア(障害物)の上の走行は慎重に!
   べニア(障害物)の上の走行は慎重に!

 ②のフォークリフト積込み・荷卸し競技は、服装やヘルメット等の正しい着用に始まり、作業前のトラック運転席からの降車、荷台の煽りの開け方、昇降用はしごの使用など、リフト操作前にも多くのチェックポイントがありました。

 

  また、フォークリフト操作では、後方の安全確認やスピード、走行中の爪操作の有無などの他、荷ずれなども厳しくチェックされました。

  トラックの横の路面にはベニア板が置かれ、路面上の障害物となっていましたので、リフトで乗り越えるときの安全走行に気を遣っていました。時間制限があるので、なかなか難しい競技です。

 それでも200点満点を出したドライバーが5人もいました。

受付対応競技で日頃の仕事ぶりをリアルにチェック

荷物の外装に汚破損などがあり、見落としは減点
荷物の外装に汚破損などがあり、見落としは減点

 このコンテストで特にユニークに感じた点は、③の受付対応をチェックする競技です。

 「配車窓口」 →「 荷物の確認」 → 「荷の届け先受付」の流れで行い、話し方や態度、伝票書類の確認、積込み商品に汚破損やミスがないかの観察、配車時指示内容との違いへの対処など、ドライバーとしての対応が正しくできるかどうかを採点するものでした。

 伝票書類の署名や印鑑、日付などのミスは、場合によっては酒税法にも抵触する事態となります。酒類を運ぶ物流事業者としての問題意識を持って業務をしているかどうか、日頃の実態があらわとなります。

 社内でのドライバー教育の実態も問われるわけです。

運転競技では確認行動やエコドライブも数値化して評価

 ④の運転競技は、中央研修所のゆったりとしたコースを使用して、外周走行、右左折、見通しの悪い交差点の通行、踏切通過、坂道発進、バックホーム付けなどの連続走行を行いました。

 同社の輸送営業部のスタッフが助手席についてコース指示をしましたが、走行中のスピードや安全確認などについては、運転技能自動評価システム【オブジェ】を採用し、数値化したデータで評価しました(山城自動車教習所の協力による)。

 このシステムは、ヘルメットと足の甲につけたセンサーと専用ソフトを使用し、安全確認の頻度や確認の深さ、ブレーキへの踏み変え操作などをチェックし、事故防止のための動作ができているかを評価するものです。

 また、発進や加速などの操作をみるエコドライブについては、セーフティレコーダによる自動チェックが同時に行なわれました(データテックの協力による)。

バック事故防止の指導も行う

 コンテスト終了後、バック事故防止の講習が実施されました。

 東日本支社物流管理部から最近の事故事例の紹介があり、トラックにバックモニターが設置されていても、それに頼り切ってしまったり確認が甘くてバック事故を起こす例があることが指摘されました。

 

 実際にモニターの後方に障害物を置いた実験映像を示して解説し、 

① バックモニターでは高さ確認は十分にできない

② 距離感がわかりにくい

  → ひさしなどに気づいたときブレーキを踏んでも間に合わないことがある

③ 白黒のモニターでは、電柱等の識別が十分にできない

等の点が明らかにされました。

 そこで、庭先での切り返し等のバックをする時は、モニターに頼らないで、必ず降車して自分の目で安全確認を徹底するようにと呼びかけました。

教育主体のコンテスト

 すべてのプログラムが終了後、上位入賞者には賞状と賞品が贈られ、研修に協力したデータテックからも記念品の贈呈があり、輸送協力会副会長である野沢正雄野沢運送店社長と同社の小瀧正美社長が挨拶をして、無事に閉会しました。

 

 このコンテストは、参加するドライバーにとって記念品などの楽しみがあるものの、教育活動としての位置づけが重視されています。コンテストに参加する輸送協力会の企業も、「自社ドライバーが他社のドライバーと交流し、普段の自分の業務を見つめ直すことが、得難い安全教育になる」と高く評価しています。

 同社では、「今後もこうした実務的な内容のコンテストを行い、安全教育の輪を広げていきたい」としています。

 

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