「電動車いす」は高齢者や身体障害者の方にとって、とても便利で有効な移動手段です。このため利用者が増えていますが、一方で交通事故も発生しています。
電動車いすの事故は、そう大きな割合を占めているわけではありませんが、事故の発生に特徴がありますので、ドライバーとしては気をつけておきましょう。
神奈川県警察本部が過去5年間に発生した電動車いすの交通事故を分析した結果、次のようなポイントが指摘されています。
●道路横断中の事故が6割──特に、横断歩道を横断中の事故が横断中事故の75%と多発しています。電動車いすは意外に見落としやすいと言われています。右左折時には特に、横断歩道を渡る車いすに注意しましょう。
●昼間の事故が多い──電動車いす利用者は明るい昼間に行動することが多いので、昼間に事故が多発しています。特に12時から16時の時間帯には警戒しましょう。
●自宅近くで発生──電動車いすの方の自宅から500m以内の事故が50%と多発しています。「買い物」「散歩」など「ちょっとそこまで……」といった心理で出かけるときには車いすの人も油断しています。生活道路などでは、ドライバーが十分に配慮することが大切です。
電動車いすに人が座ったときの高さは約120cmで、小学校低学年児童の身長と同じ位の大きさとなります。このため、駐車車両や植込みなどの障害物があると、電動車いすが横断を始めても、ドライバーから見えないことがあります。
横断歩道付近や歩道からの出口が駐車車両などで見えにくいと感じたら、電動車いすの横断について危険予測する意識を持ちましょう。
(2012.3.6更新)
交通事故の多くは「急ぎ」「わき見・漫然」「思い込み」等、ドライバーの『うっかり』が原因で、起こっています
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