車に荷物を積んで運んでいるときに、荷物が動いたり荷崩れしたりすることがよくあります。これは、荷物に3つの力が働いているからです。
荷物を動かす力として、一つ目にあげられるのが「慣性力」です。
発進時や制動時に加減速することで、荷物が慣性の力によって前後に動きます。また、カーブを曲がるときには遠心力によって、荷物を左右に動かす力が働きます。
ですから、カーブを曲がるときに、急ブレーキをかけながら急ハンドルを切ったりすると、前方向と横方向に荷物を動かそうとする大きな力がかかります。
二つ目は、荷台の振動・衝撃力です。
路面の段差や橋の継ぎ目等を走行すると、前後左右・上下に荷台が振動し、荷物を動かす力が働きます。高速道路の橋の継ぎ目などで受ける振動は、小さいものに思われますが、実際には大きな力が働いています。瞬間的には、震度7の大地震よりも大きな最大1.5Gの揺れがあると言われています。
三つ目は、坂道などにおいて荷物の持つ重量で下り方向に移動しようとする「移動力」です。
下り坂でブレーキをかけると、ブレーキによる慣性力のほかに、傾斜時における移動力も相乗され、荷物を動かそうとします。
走行中、荷物は大きな力を受けていることを意識して、慎重な運転を心がけることが大切です。
(2012.6.14更新)
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