以前、テレビのバラエティ番組でスピードを出すと車が浮き上がるような坂道を「チンさむロード」として紹介していました。
少し危険な番組だなと思っていましたが、実際に番組で紹介された千葉県松戸市内の路上で事故が起こってしまいました。
今年5月28日の夜、19歳の女性が運転する車が松戸市内の急こう配の道路を時速90キロのスピードで走行し、段差で車が空中に跳ねあがった直後に、ハンドル操作を誤り、道路左側を歩いていた男子大学生を跳ねて死亡させ、電柱に激突して同乗者2名にも重傷を負わせました。
運転していた女性は、当時未成年であったため自動車運転過失致死傷の疑いで家裁送致されましたが、その後検察官送致(逆送)され、千葉地検は7月28日「ハンドル操作が困難なスピードで走行しており、危険運転致死傷罪が適用できる」として、危険運転致死傷罪で起訴しました。
急な下り坂が続く道路では、スピードを出して段差があるところを通過すると車が浮き上がることがあります。そのとき、無意識のうちにハンドルを切ってしまうと、タイヤが地面についたときにグリップ力が回復し、ハンドルを切った方向に進んでしまい、車のコントロールを失うことがあります。
単に面白いからなどと、安易な気持ちでテレビ番組をまねていると、取り返しのつかない事態を招きます。車を運転することは、一歩間違えれば人を殺してしまう可能性があるということを肝に銘じておいてください。
(2012.8.6更新)
軽い気持ちでした運転行動が、高い代償を生みます
安易な気持ちから不安全な運転行動をすることで、事故を誘発したり大きな過失責任が発生する危険があります。
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