皆さん、事故統計などに見られる「危険認知速度」と言う言葉を、ご存知でしょうか?
これは、交通事故の当事者になった自動車などのドライバーが、相手車両などの危険を認知して、ブレーキやハンドル操作などの危険回避措置をとる直前までの走行速度のことで、「事故直前速度」などとも呼ばれています。
これは、事故車のブレーキ痕や損壊の程度、事故当事者の証言などから、事故の直前のスピードを推測したものですが、このスピードが高ければ、当然死亡事故につながりやすくなります。
たとえば、自動車と歩行者の事故で、危険認知速度が40キロを超えると、死亡事故の割合が急に増加し、時速50キロになると時速40キロの2倍も高くなることがわかっています。
ドライバーのなかには、危険を回避する場合に、すぐにハンドルで避けようとする人がいますが、これは非常に危険な運転行為です。万一、危険を避けられたとしても、車のコントロールを失って路外逸脱などにつながりやすいですし、避けられなかった場合には、スピードを出したまま衝突することになり、重大事故につながりやすくなるからです。
前方に、危険を感じたら、まずブレーキを踏んでスピードを落とすことが大事です。事故直前のスピードが5キロでも10キロでも落ちていれば、それだけ衝撃力が少なくなり、被害も軽減されるからです。
(2012.8.17更新)
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