最近、高速道路で人がはねられたという事故のニュースをテレビ・新聞でよく目にすると思いませんか? 高速道路事故の報道が多いのは、4月29日に発生した関越道バス事故(7名死亡)の影響もあるでしょうが、実際に人がはねられる事故が増えているのです。
警察庁の調査によると、高速道路上の人対車による事故の死者数は、2011年1年間で39人でしたが、2012年は8月12日までの集計ですでに29人が死亡しています。
このままのペースでいくと昨年を上回ることは間違いありません。
さる8月12日早朝にも、東名高速道路で、左カーブの路肩にワゴン車を停め、右側のドアを開けて車の中を見ようとしていたドライバーが後続の大型トラックにはねられて死亡する事故が発生しました。
トラックのドライバーは前方不注意で逮捕されましたが、ワゴン車は見えづらい場所に停車していましたし、一般道路の感覚で本線側の道路上にいたワゴン車ドライバーにも問題がありました。
車の中にムカデがいると同乗の家族が騒ぎ、路肩に止まって探していたそうですが、高速道路での停車は事故の発端となります。SAまで我慢するか、非常駐車帯を探して停止していれば、事故は起こらなかったでしょう。
ドライバーの皆さんはもう一度、高速道路の路肩が駐停車禁止場所であることを自覚しましょう。
また、一般道路は駐停車車両が多いので当然避けようと意識している人も、高速道路を走行していると油断しがちですが、こうした事故を念頭に置き「駐停車車両や歩行者がいても不思議ではない」と考えて運転しましょう。
(2012.8.20更新)
軽い気持ちの運転行動が、高い事故の代償を生みます
安易な気持ちから行う不安全な運転行動が、事故を誘発したり大きな過失責任に結びつくことがあります。
本誌は6つの事例について、運転者の過失責任の割合を自分なりに考えて回答する、参加型の教育教材となっていますので、「こんな運転行動が大きな過失責任を生むのだ」といったことをより深く理解することができます。