寒波の到来で朝晩の冷え込みが厳しく、雪が降る地域が多くなっています。
雪道でのスリップ事故も多発気味ですが、雪が降り積もった圧雪路はもちろん、雪が一部溶けたシャーベット状の路面にも注意しましょう。
積雪して間もない雪よりも、場合によってはところどころ溶けたシャーベット状の雪のほうが、滑りやすいからです。
路面上の雪の上にさらに溶けた雪が浮いている状態では、軽いハイドロプレーニングのような現象が発生しタイヤが接地しにくくなります。溶けた雪が動いて滑りやすいことと、前後左右のタイヤで摩擦係数が違ってくることも危険要因となります。
さる12月10日午後4時頃にも、栃木県那須町の東北自動車道で大型トレーラーや乗用車計9台が絡む玉突事故が発生し、9人が重軽傷を負いました。
前日夕方から10日午前にかけて雪が降り、事故当時、雪は降っていませんでしたが、積もった雪が風で地吹雪となって視界が悪くなったため減速した車に次々と追突したそうです。また、気温-2.2℃で路面状に溶けた雪が混じってシャーベット状になっていました。IC間で速度規制もかかっていました。
路面に一面の雪が降り積もっていても、スタッドレスタイヤを装着しているとタイヤのグリップ感があり快適に走行できることがあります。
このため、つい油断してしまいますが、シャーベット状の雪を見たら、決してスピードを出さずに、急ブレーキなどを控え、車間距離も詰めないように心がけましょう。
また、高速道路で速度規制が出ているときには、軽視しないで左側車線を規制速度を守ってゆっくり走ることです。
高速道路の場合インター間などの区間規制ですから、路面が滑りやすい場所のかなり手前から規制がかかっていますが、その段階でスピードを落としておかないと、いざとなって急に速度を落とすことは難しいからです。
(シンク出版株式会社 2012.12.12更新)