2013年2月の運転管理

■冬型事故防止の指導を徹底しよう

 2月は降雪・積雪などにより、引き続きスリップ事故が起こりやすい時期です。 

 また、冬型事故としてはスリップ事故だけでなく、雪などにより渋滞が発生しやすくなる一方、路面の摩擦係数が低くなって制動距離が伸びることからくる追突事故も多発しています。

 

 こうした、冬型事故の抑止を図るためのドライバー指導を展開しましょう。

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車間距離を多めにとり、早めにアクセルオフを

 雪道での追突事故事故が多いのは、摩擦係数による制動距離の延長だけでなく、ドライバー自身がスリップを怖れて「強いブレーキが踏めない」という意識が働き、それでブレーキが普段より弱くなる傾向もあると言われます。


 また、雪が降ると普段は渋滞しない場所で、長い渋滞が発生していて、信号のはるか手前で車が停止していることがあります。そうした危険を警戒しないまま走行していて、カーブをすぎたとたんに停車車列に気づいて追突!といったケースも少なくありません。

 そこで、普段以上に遠くの交通状況に注意を払い、おかしいと感じたら早めにアクセルをゆるめて車間距離を確保し、余裕のあるブレーキ準備をすることが大切です。

●4WD車を過信すると危険です!
 積雪路で、意外に多いのが四輪駆動車(4WD車)の事故です。

 2WDの車より四輪駆動の車のほうが上り坂などでグリップが良く、デコボコした場所でも発進しやすいので、これを過信するドライバーが多いようです。

 しかし、2WDと4WD車間でブレーキ力などに違いはありませんし、4WD車のほうが一般に車両重量が重いので、カーブなどで無理な運転をすると逸脱しやすいのです。

 雪道で4WDの事故が多いのも、過信から無理な走行をして逸脱事故や追突事故などを誘発していると考えられます。

凍結危険場所での警戒を促そう
 2月は朝晩の気温が急激に下がるため、雪が降った後は路面凍結の危険があります。また雪の降っていない場所でも、気温によって路面の水分が凍結する危険があります。とくに注意すべきポイントは以下のような場所です。


・橋の上、高架道路の上
・トンネルの出入り口
・交差点、踏切の手前(皆がブレーキを踏み

 路面の雪がツルツルになる場所)
・川沿いの道、海沿いの道
・昼間でも日陰になりやすい場所
・崖水などが路面に降下し、側溝のない場所

 また、霜が降りた道路では、早朝うっすらと凍結することがあります。マイカー通勤者にも注意を促してください。

通行止情報の早期入手と周知徹底を
 毎冬、降雪や凍結ためにスリップした車が道路をふさぎ、長時間にわたって多数の車両が立ち往生する事態が発生しています。
 運行先の気象情報や道路渋滞情報をチェックしてドライバーに伝達し、出発時間を繰り上げたり、代替路を判断するなど、早目の判断・対処を心がけてください。
 
 道路管理者・警察の判断で、多数車両の流入による大渋滞を防ぐため、大型車の立ち往生などが発生した場合は国道などの迅速な通行止めが実施されていますす。情報収集の精度を高めて、ドライバーへの早めの経路変更連絡が重要です。

■重点推進項目

【すべての安全運転管理担当者の皆さんへ】

・新入社員入社前教育の実施
 入社前の新入社員にも2月頃から安全教育を実施しましょう。

 ある事業所では、入社予定者の自宅に会社のニュースレター(安全通信)を送り、自社が交通事故防止を企業の社会的責任と考えていることをアピールし、入社前にドライバーとして以下の点を準備するように指導しています。


・自動車安全運転センターの運転記録証明書を入手する
・過去1年間に事故や違反のあった人は、どのように

 改善するか抱負を考えてくる
・安全運転にとって何が大切と思うか、3つ以上考えてくる

・省エネルギー月間=エコドライブの取り組み
 省エネルギー月間の機会をとらえて、職場の省エネ意識を高めましょう。エコドライブの実践や職場での省エネの工夫を全社で発表させると意識喚起に結びつきます。タイヤの空気圧管理だけで燃費が改善した事例や、車間距離保持キャンペーンで燃費を高めている事業所があります。


 また、職場の定期ミーティングをするとき、輪番制でエコドライブの工夫をドライバー間で披露しあうようにすると、日常的にエコドライブを意識するようになります。

・新年度の安全活動計画を作成
 安全管理、運行管理を実行する部署内で話し合い、来年度の安全活動計画を練っておきましょう。特に重要な点は、2012年度の交通事故や違反の実態を明らかにして、その傾向をつかんだ上で何を改善すべきか、目標を明らかにすることです。

 さらに、安全運転目標に沿って、現場で活用できる具体的な資料も用意しましょう。
 たとえば、バック事故などの多かった事業所では、個々の事故原因を分析するとともに、事故防止ポイントをまとめた資料などを作成して具体的な指導を展開する準備が必要です。

・車庫、休憩所、社員談話室の点検、修理
 社有車の車庫、ドライバーの休憩所や談話室などの点検を実施して、修理すべき案件などは、年度末までに済ませるように準備しましょう。また、早い年は2月からスギ花粉などの飛散によるアレルギー鼻炎、結膜炎が発症します。休憩所には使い捨てマスクなどを用意しておきましょう。

・インフルエンザ対策の実施
 引き続き、インフルエンザ予防対策を継続しましょう。うがい・手洗いの励行とともに、洗面所のうがい薬・手洗い石鹸の点検と使用の促進を図りましょう。

・車の登録、検査事務の調査と更新
 年度末に向けて、社有車の検査、新車登録事務が必要かどうか早目に調査し、2月中に手配・実施しておくと慌てません。3月は例年、運輸支局の検査・登録窓口が混雑を極めて非常に時間がかかります。検査予約はインターネットでも可能です。

【事業用自動車の運行管理者の皆さんへ】

・運輸安全マネジメントの見直し、研修を
 平成18年10月に導入された運輸安全マネジメントも早6年が経過しましたが、まだまだこの制度を社内体制のなかにしっかり組み込めていない事業所も多いようです。一応制度としては導入したものの十分に浸透していないという声も多いようです。そこで、もう一度マネジメントの原点に戻って管理者や指導者が研修してみることも大切です。
 自動車事故対策機構(NASVA)では、2月から3月にかけて各地の支所で運輸安全マネジメントの講習会を実施しています。事業の経営者だけでなく広い範囲の受講者を募集していますので、基礎的な講習で基本から学び直すのもよいでしょう。


 また、社会保険労務士行政書士の中にも、運送事業者を専門対象として安全マネジメントに関する支援やコンサルティングを行う人が増えています。こうした専門家は行政処分の実態などにも詳しいので、事故や違反削減のために社内体制を立て直そうを考えている事業所は相談してみることも一案です。

■2月の管理ごよみ(2013年)

1月30日(水)~

2月1日(金)

ENEX2013-第37回地球環境とエネルギーの調和展(主催:財団法人省エネルギーセンター/於:東京ビッグサイト・東1ホール)──省エネ・新エネルギーに関する先端技術や情報が紹介されます。

1日(金)

28日(木)

省エネルギー月間──政府は、暖房や給湯で電気や石油などのエネルギー消費量が増える2月を「省エネルギー月間」と定め、省エネルギーの推進を呼びかけています。

1日(金)

・平成25年度「全国安全週間 スローガン募集

 (厚生労働省労働基準局安全衛生部)

1日(金) ・テレビ放送記念日──1953(昭和28)年のこの日、NHK東京放送局が日本初のテレビ本放送を開始しました。
2日(土) ・交番設置記念日──1881(明治14)年のこの日、1つの警察署管内に7つの交番を設置することが定められました。その後、全国で「派出所」「駐在所」という名称に統一されましたが、「交番」という呼び名が定着し、国際的にもKOBANとして通用する言葉になっていることから、1994(平成6)年11月1日に「交番」を正式名称とすることになりました。
2日(土) ・バスガールの日──1920(大正9)年、東京市街自動車の乗合バスに初めてバスガール(女車掌)が登場しました。初任給35円、当時としては破格の高給で話題になりました。
3日(日) ・節分
4日(月)

・立春

11日(月)

建国記念の日

12日(火)

・2月の製品安全点検日──経済産業省は、毎月第二火曜日を「製品安全点検日」として、製品の安全な使用法やリコール製品等について情報提供・注意喚起を行っています。

12日(火)

~15日(金)

・2013産業安全対策シンポジウム(東京都港区・三田NNホール)──12日「最近の産業界の安全を考える」/13日「産業安全確保のための現場力の強化」「ヒューマンエラーを如何にマネジメントするか」など、詳しくは(社)日本能率協会のWEBサイトを参照してください。
14日(木) ・聖バレンタインデー

17日(日)

~23日(土)


・アレルギー週間──(財)日本アレルギー協会が東京でのアレルギー週間中央講演会をはじめ、全国の支部で一般市民を対象に様々な啓蒙的催しを開催しています。

18日(月)

・雨水

20日(水)

・アレルギーの日──1995年のこの日、石坂公成・照子医師夫妻がIgE抗体を発見し、米国アレルギー学会で発表したのを記念して日本アレルギー協会が制定しました。

 
2月上旬

・「平成25年 春の全国交通安全運動実施要項」の発表

 (全日本交通安全協会内閣府


・平成24年1~12月の業種別労動災害発生状況厚生労働省

2月下旬

・平成24年中の交通事故発生状況警察庁

 

・平成24年賃金構造基本統計調査結果=賃金センサスの発表 

 (厚生労働省

 

・平成23年度分 自動車輸送統計調査の発表国土交通省

・平成24年2月分 自動車輸送統計調査 月報国土交通省

 

 ◆2月の日没時間(国立天文台天文情報センターによる)

1日(金) 福岡 17:49 大阪 17:27 東京 17:08
15日(金) 福岡 18:03 大阪 17:41 東京 17:23
28日(木) 福岡 18:14 大阪 17:53 東京 17:35

2月は5時すぎ~6時には日没です。
まだ明るいと思っても、4時半には点灯をしましょう!

「おもいやりライト」のWEBサイトも参照してください。

今日の安全スローガン
今日の朝礼話題

10月7日(月)

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