法務省では、このたび悪質な交通事故の罰則を強化するための試案をまとめました。
この試案によりますと、最高で懲役20年の刑が科せられる「危険運転致死傷罪」は適用の要件が厳しく、交通事故の遺族らから適用拡大を求める声が相次いだため、危険運転致死傷罪の適用範囲の拡大や人身事故に関する新たな罰則を設けること──などが盛り込まれています。
危険運転致死傷罪の適用拡大については、歩行者天国など通行が禁止されている道路を危険な速度で走行することや、わざと道路を逆走することが新たに適用要件に加えられます。
また、アルコールや薬物の影響によって人身事故を起こしても、危険運転致死傷罪を適用するには「正常な運転が困難」な状態に限られていることから、危険運転致死傷罪には当たらないが悪質性が高い死亡事故の場合には15年以下の懲役を科すことや、事故後に飲酒などを隠すために逃走した場合には12年以下の懲役を科すなどの案が盛り込まれています。
さらに、京都府の亀岡市で集団登校中の児童が無免許運転の車に跳ねられたことから、無免許運転で人身事故を起こした場合は、より刑罰が重くなります。
この試案は、法制審議会で議論して答申をまとめ、通常国会に提出される予定ですので、いつから法改正が施行されるかなど、注意しておきましょう。
(2013年1月23日 更新)
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