皆さんは、「メタ認知能力」という言葉をご存じですか?
「メタ」というのは、もともと認知心理学の分野で使われている専門用語で、「より高次の……」といった意味の接頭語です。
「メタ認知能力」とは、簡単に言えば「自分をあたかも外から見ているように客観視する能力」のことで、頭のなかにもう一人の自分がいて、その自分が自分のことを監視し、コントロールする能力のことです。
「メタ認知能力」は、2つから成り立っており、1つは「自分の心を知ること」で、自己モニタリングする力です。もう1つは「自分の心と行動を制御すること」で、自己コントロールする力です。
この「メタ認知能力」は、危険予測運転をするうえでとても重要な能力であることは、言うまでもありません。
自分の運転行動を一段上から見るように客観視することができ、そのうえで自分の運転行動をコントロールする「メタ認知能力」が高ければ、どこにどのような危険が存在するかを予測し、どのような運転をすればよいかを、簡単に考えることができるからです。
極端なことを言えば、「メタ認知能力」が高い人ほど「危険予測能力」が高く、安全運転をすることができると言えます。
常日頃から、自分の運転行動について客観視し、自己コントロールするようにして、「メタ認知能力」を高めてください。
(2013年2月12日 更新)
小冊子「見えない危険を読むイメージ力を高めよう」は、様々な危険要因が含まれた運転場面を6つ取り上げ、「見えている危険」だけでなく、「見えない危険」をイメージすることで、ドライバーの危険予測能力を高めることをねらいとしています。
また、危険を見落としやすい心理状態を考えることで、「心理的な落とし穴」にも気づくことができる内容になっています。