交通事故の多くは、運転者の「うっかり」によって起こっていると以前もお話しましたが、それは事故統計をみても明らかです。
昨年1年間に原付以上の車両の運転者が起こした人身事故は、63万710件に上りますが、法令違反別にみると、そのうち30%以上を占めるのが「安全不確認」です(19万2,556件)。
以下、「脇見運転」が16.6%(10万4,712件)、「動静不注視」11.3%(7万1,375件)、「漫然運転」7.6%(4万7,913件)と続き、上位は安全運転義務違反と呼ばれる言わうる「うっかり違反」で占められています。
誰でも、見通しの悪い交差点が続く場所で律儀に安全確認を続けるのがおっくうになったり、障害物の多い場所では気になるものがあって一部の確認が甘くなったりすることがあります。おそらくほとんどの場合は、車も自転車も飛び出してこないため、事故に至らないでしょう。
しかし、安全確認のミスがこれだけ多くの交通事故に結びついていることを考えると、確認をしようという意識が弱いまま運転している人は、いずれ事故を起こすと言えます。
コンビニエンスストアの駐車場から、歩道をまたいで車道に合流するときなど、何気なく左側を見たら自転車が近づいていてヒヤッとしたことはありませんか?
そうした経験をしたときは、「うっかり安全確認を忘れていたら、相手に衝突していたはずだ」と強く肝に銘じて、常に確認を忘れない意識を高めてください。
(シンク出版株式会社 2013.5.22更新)
セルフチェックシリーズ「うっかり事故の危険度をチェックしよう」は、「わき見・漫然運転」をはじめとして「先急ぎ運転」「思い込み運転」によるうっかり事故の危険度を自分自身で知ることができる事故防止教育教材です。
自分がどのようなときに「うっかり」しやすいかを知ることができ、具体的な安全運転目標を立てることで、「うっかり事故」の防止をはかることができます。