先日、流れの速い国道を走行していたら、目の前に「横断歩行者注意!死亡事故多発」と書かれた横断幕が、歩道橋にかかっていたのを目にしました。
信号も横断歩道もない場所ですが、この歩道橋の下を横断していて、「はねられた人がいたんだな」と気づきました。
横断歩道橋のほとんどは、死亡事故が非常に多かった昭和40年代に整備されたものです。学校に通うため車道を横断する通学児童なども多かったので、何とか死亡事故を減らそうと考えられたものですが、すでに過去の遺物となりつつあります。今では利用する人がほとんどいない歩道橋も少なくありません。
歩道橋は、渋滞解消のため車の通行を優先し、歩行者に登り降りを強いていますので、バリアフリーの精神に反すると批判され、最近は撤去が進んでいます。そして、まだ歩道橋が残っていても利用されなくなった理由の一つが、歩行者に高齢者が増えたためです。高齢者は歩道橋の登り降りが大変なので、たとえ危険とはわかっていても、歩道橋の下を横断することが多いのです。
昼間であれば、歩道橋の下を横断する高齢歩行者などがいても気づきやすいのですが、夜間は、歩道橋の下が見えにくく予測していないと歩行者に気づくのが遅れがちです。
横断歩道の手前で歩行者がいないかなと気を配るのと同じように、前方に横断歩道橋が見えたら、「あの下を歩行者が横断するかも知れない」と予測し、スピードを控え注意して運転するように心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2013.5.29更新)
小冊子「もらい事故でもこれだけの過失がある」は、もらい事故と思われる5つの事故事例を紹介し、歩行者の信号無視が原因の交通事故など、たとえ相手の行動に問題があっても、事故を起こせばドライバーに大きな過失が生じることを紹介した事故防止教育用教材です。