道路交通法が適用される範囲は、基本的に道路上における交通に起因する事故などが対象になり、ドライバーが道路上で事故などを起こした場合には「違反点数制度」によって違反点数がつけられて、運転免許の停止や取消しなどの行政処分が行われます。
ところが、自動車などを運転して人を死傷させるのは、なにも「道路」だけに限ったことでなく、工場内の構内や駐車場、港湾内の埠頭などのいわゆる「道路外」でもあります。
こうした場所で人を死傷させる行為を「道路外致傷」といいますが、これは違反点数制度にある違反行為ではないために、違反点数がつきません。
しかしながら、道路外で事故を起こした者も、道路上で事故を起こした者も、その危険性は変わらないことから、別の基準で行政処分が行われます。
処分の基準になるのは、被害者の傷害の程度や後遺障害の有無です。
たとえば、不注意によって人を死亡させたり、治療期間3か月以上の負傷をさせた場合には、免許取消し処分を受け最低1年以上の欠格期間(免許を再取得することができない期間)となります。
駐車場や工場構内だからといって、決して油断しないで、道路上と同じような緊張感を持って運転しましょう。
なお、「危険運転致死傷罪」は、「道路上」での死傷事故に限ったものではなく、「道路外致死傷」にも適用されますので、注意してください。
(シンク出版株式会社 2013.6.27更新)