日本列島は暑い日が続いていますが、地方によっては集中豪雨が発生して、短時間に道路が冠水している所もあるようです。
テレビ報道の映像などを見ていますと、冠水した道路に車が立ち往生して、何人かの人が車を押して高い所に避難している姿がよく映し出されています。
車を運転している人は、そんなに深いとは思わずに進入していくのでしょうが、ガソリンエンジンにしろディーゼルエンジンにしろ、エンジンは空気を取り入れて燃焼しているということを忘れてはいけません。
水深が浅いうちは車が走行できても、ある程度深くなって車体が水に浸かって、空気を取り入れることができなくなってしまえば、エンジンが停止してしまうのは当たり前です。
JAFが行った冠水路走行テストでも、「エンジンが停止した原因は、エアインテーク(空気の取り入れ口)を通してエンジン内部に水が入ったためと考えられる」と報告されていますし、「同じ水深でも、速度が高くなると巻き上げる水の量が多くなり、エンジンに水が入りやすくなる」ということです。
この実験結果をみてもわかるように、水の中の様子がわからない冠水道路に進入するのは、「一か八か」の賭けみたいなものです。
走行中に突然の集中豪雨に出会い、道路が冠水していたら安易に進入しようとしないで、迂回することを考えてください。
また、他車が進入して通過できたからといって、自車も通過できると考えるのも危険です。車の車高など構造的な違いがあり、他人が通過できても、自分が立ち往生することもあるからです。
(シンク出版株式会社 2013.7.19更新)
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