交通事故総合分析センターでは、「イタルダインフォメーションNo.100」で、「横断歩行者妨害違反」による事故の分析を行っています。そのなかから、特徴的なデータを紹介します。
このデータは、平成20年から24年までの5年間に発生した歩行者の死者7,627人のうち、横断歩行者妨害違反による事故でなくなった1,064人について分析したものです。
事故を起こした時間帯でみますと、17時から18時までのいわゆる薄暮の時間帯に235人といちばん多く発生しており、2番目に多い朝の9時~10時の160人を大きく引き離しています。また、深夜1時~4時の時間帯は、死者割合(死者数/死傷者数)が高くなっています。
次に、事故にあった人を年齢層別にみると、年齢が高くなるほどだんだんと高くなっていく傾向にあります。50~59歳では72人だったものが、60~69歳では165人、70~79歳では364人、80歳以上では389人となっています。
また、車両側の人的要因をみてみますと、単路で8割以上、交差点で9割以上の人が、「歩行者の発見の遅れ」が原因で事故を起こしています。
この分析データから考えますと、歩行者を発見しづらくなる薄暮の時間帯に横断歩道がある道路を通過するときには、歩行者の発見が遅れて事故になるケースが多いことがわかります。薄暮の時間帯に、横断歩道付近で高齢者を見かけたら、とくに注意して運転してください。
(シンク出版株式会社 2013.8.6更新)
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