コンパティビリティ(Compatibility)という言葉を知っていますか?何やら聞きなれない英語だと思いますが、車の衝突について考えるときは重要な概念です。
この言葉を直訳すると「互換性」とか「適合性」といった意味になり、パソコンと周辺機器の使い勝手などにも利用されますが、車同士などが衝突したときの「安全の両立性」という意味でも使われます。
「コンパティビリティが対応している」と言った場合は、車同士が衝突しても、片方がメチャクチャに壊れて片方がまったく壊れないということはなく、どちらも衝撃吸収的な壊れた方をして相互のダメージが同等になり、加害性が低く、生存空間も互いに残ることを示しています。
実際に最近の乗用車(セダン)同士では、このような両立性を図る構造が採用されていて、排気量が少し違う車と車が衝突しても、シートベルトを着用している限り乗員は軽傷ですむケースが多いのです(コンパティビリティ対応ボディ)。
しかし、軽自動車と大型トラックなどが衝突した場合は、コンパティビリティが成り立つことはほとんど期待できません。小さくて軽い方のダメージが大きすぎて、死亡事故などに結びつきやすくなります。
ですから、大きな車や重量の重い車に乗っている人は、自車が相手に与えるダメージが一方通行的・破壊的であることを常に意識し、たとえ低速でも衝突は極力避けるための防衛運転に徹する必要があると言えます。
一方、軽自動車などに乗っている人は、常に自車のコンパティビリティ対応性が小さいことを意識し、生存空間を確保するために車間距離を大きくとって、追突されても前車との間に挟まれないような運転を意識しましょう。
(シンク出版株式会社 2013.8.15更新)
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