9月は、まだしばらく残暑が続きそうですが、朝晩は涼しくなってきました。山沿いや北の地方では、そろそろ霧が出始める季節です。
気温が急に下がったとき、大気中に水蒸気が多いと霧が発生する危険性があります。
日本では濃霧で交通事故が発生することは少ないと言われていますが、先日、英国では霧が原因となって100台以上が関係する多重追突事故が発生しました。
事故は9月5日朝7時過ぎ、英国の首都ロンドン南東のケント州で発生しました。幹線道路A249号の橋の上に霧が立ち込め、視界が極端に悪化していた中で、1件の衝突事故が発生し、この事故をきっかけに後続車が次々と追突する多重事故に発展したものです。
最終的に約130台が関係する大事故となり、8人が重傷、30人が軽傷を負いましたが、幸い奇跡的にも死者はいませんでした。
現場には大量のトラックや乗用車などが絡み合うように衝突し、目撃者は「視界は20ヤード=約18mほどしかきかず、車が衝突する音だけが聞こえた」と述べています。
視界が18mということは、時速30キロで走行していて危険に気づいたとき何とか止まれる距離です。さすが霧のロンドンです。時速40キロ程度でも玉突き衝突が起こりやすい状況だったと言えるでしょう。
霧が出たときにはフォグランプが有効です。フォグランプがない場合はライトを下向きに点灯して、できるだけ速度を落として走行することです。
点灯しても前方の視界はあまりよくなりませんが、他車から衝突される危険を低くすることが期待できます。霧の中で、道路外に安全な退避場所を見つけたら、しばらく道路を離れて休憩し、霧が晴れるのを待つのが得策でしょう。視界を奪われて不安に感じても、道路上で停止するのは危険です。
(シンク出版株式会社 2013.9.17更新)
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