さる11月10日、埼玉県の自動車ディーラーが乗用車に搭載されたブレーキ自動制御機能を体験させる試乗会を開催しているときに、車が停止せずにフェンスに衝突する事故がありました。
この試乗会では、発車地点から約7m先にマットをつるし、その前で停止するようになっていましたが、なぜか停止せずに約6.6m先にあった金網フェンスに衝突したものです。
自動車の安全運転をサポートする技術は日々進化しており、最近では盛んにこうしたブレーキ自動制御機能の宣伝がされています。
この種のコマーシャルを見ていると、障害物に衝突しそうになったときにどんなときでも運転者が何をしなくても自動的に停止するように錯覚しますが、実は自動停止するにはいろいろな条件があります。
ほとんどの装置は、完全に停止するのはおおむね時速30キロ以下の低速のときに限られており、それ以上のスピードになると100%完全に停止するとは限りません。
また、前方の障害物を検知するセンサーも完全ではありません。夜間であったり逆光のときや雨のときには正確に作動しないとか、横から飛び出してくる人を認識できないなど、すべての障害物に対応できている訳ではありません。
ブレーキ自動制御機能などの最先端技術は、あくまでも運転者をアシストする補助装置であることを肝に銘じておきましょう。
(シンク出版株式会社 2013.11.15更新)
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