皆さんご存じのように、車の運転は「認知」→「判断」→「操作」の繰り返しで成り立っています。
このなかで、交通状況等を見る「認知」作業は非常に重要なものがあり、「見落とした」「危険の発見が遅れた」といった認知段階でのミスは、すぐに交通事故に結びついてしまいます。
ですから、運転中に他車の動きなどをしっかりと注意して安全確認をすることが重要ですが、やっかいなことに人間の視機能にはさまざまな特性や限界があり、それが認知ミスを誘発しやすいのも事実です。
人間は、すべてのものに注意を払っているわけではありません。自分にとって役に立つ情報、興味のある情報は注意の対象にしますが、それ以外のものは無視をします。つまり、「選択」してものを見ているのです。
選択の仕方は、運転者の経験や安全運転の知識の有無など人それぞれによって違いますし、運転しているときの心理状態や心身の疲れ具合などによっても異なってきます。
安全運転に必要のない情報を選択すれば、当然事故になる可能性が高くなるわけですから、場面ごとに重要な情報を選択していかなければなりません。
重要な情報を選択するというのは、事故に直結しやすい危険を見落とさないようにすることです。そのためには、場面ごとにどこにどんな危険が潜んでいるかを予測して、その危険を探し出すように「見に行く」必要があります。
(シンク出版株式会社 2014.2.28更新)
セルフチェックシリーズ第6弾「運転における危険回避力をチェックしよう」は、運転時にリスクテイキング(危険敢行性)をする傾向を知ることで、交通事故防止をはかる参加型教育教材です。
事故の可能性がある場面に出会ったとき、あえて危険な行動を取る傾向がないか、リスクを軽視する傾向がないか、自分がどのようなリスクを犯しやすいか──などがチェックできます。イラスト入り解説を読むことで、運転時に気をつけるべきポイントを自覚することができます。