「花粉症」は、今や国民の3人に1人はかかっているとも言われており、花粉症の人にはつらい季節になってきました。症状を軽くするために、花粉症の薬を飲むことがあると思いますが、薬の種類によっては眠くなるものもあり、車を運転する人にとっては注意が必要です。
「健康日本21推進フォーラム」が行った調査(2007年1月)によりますと、「花粉症の薬を服用後、眠気を感じたことがあるかどうか」をたずねたところ、「よく眠気を感じた」(20.5%)が2割を超えており、「時々眠気を感じた」(25.6%)、「たまに眠気を感じた」(26.0%)を合わせると、「眠気を感じた」人が7割強を占めています。
花粉症の薬のなかには、眠気を催す抗ヒスタミン薬が入っているものが多く、薬を服用後には、集中力や判断力が低下することがあります。場合によっては、ウィスキーを3杯飲んだのと同じくらいに低下するとも言われています。
このような状態を『インペアード・パフォーマンス』と呼んでいますが、この状態は眠気のように本人が自覚することができず、無自覚なまま起こりますので、車の運転をする人にとっては事故につながる危険性があります。
花粉症の薬を服用する際には、抗ヒスタミン薬が含まれているかを確認するとともに、含まれている薬は運転する前には服用しないようにしてください。
(シンク出版株式会社 2014.3.20更新)
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