危険物移送の事故防止徹底を消防庁が要請

 最近、タンクローリー車などの横転・転落事故が相次いでいます。

 事故の社会的影響が大きいことから、平成27年6月12日、消防庁は全日本トラック協会や日本貨物運送協同組合連合会(日貨協連)などに、「移動タンク貯蔵所における危険物移送等に係る事故防止について」と題する文書を発送しました。

 「道路交通法等の関係法令を守って事故防止に努めるとともに、危険物流出事故が発生した場合は、速やかに消防機関に通報して被害拡大防止に努めてほしい」という趣旨の内容です。


こんな事故が発生しています

■左カーブでタンクローリーが横転し灯油などが流出

 去る4月17日午前5時頃、静岡県富士宮市内房の国道52号の左カーブで、灯油、軽油、ガソリンなど約2万リットルを搭載したタンクローリーが横転する事故が発生しました。

 対向車線側のガードレールと電柱を倒し、車両は路外に落下、運転者は運転席に挟まれて死亡しました。

 タンクローリーに積まれていた灯油など約1万4千リットルが流出し、近くを流れる内房境川にも流れ込みました。渓流釣りのスポットであるため、地元観光漁協組合は「生態系にどのような影響が出るか」と心配しています。事故の影響で、国道52号は静岡市清水区から山梨県境付近までが上下線で通行止めになりました。

■交差点を曲がりきれずローリーが横転しガソリン流出

 さる6月6日午前5時半頃、岐阜県関市の県道三叉路交差点で、ガソリンや軽油合わせて1万8千リットルを搭載したタンクローリーが横転し、ガソリン約5千400リットルが流出しました。

 引火の可能性があったので岐阜県中濃消防組合は周辺4世帯に呼びかけ、住民5人が一時、近くの公民館に避難しました。

 また、ガソリン除去作業のため、現場周辺道路は午後5時過ぎまで南北3kmにわたって通行止めとなりました。

 現場はY字路の交差点で、タンクローリーから見て右カーブの下り坂になっていました。運転者が右折しようとしてハンドル操作を誤った可能性があるとみられています。

■下り坂の右カーブでトレーラが転落し危険物が流出

 さる6月29日午前3時頃、神奈川県の箱根新道で下り坂の右カーブにさしかかった大型トレーラーが、前車を追い抜いたあと曲がりきれずにガードレールを突き破り、約40m下に転落して炎上しました。トレーラの運転者は死亡しました。

 転落のはずみでトレーラーに積んであった80本のドラム缶のうち数本が破損し、プラスチック原料である化学物質「ポリエーテルグリコール」が近くの川に流出し、その後、約1万匹のアユの死亡が確認されました(この川では、アユ釣りが6月に解禁されたばかりでした)。

 事故はトレーラーのスピードの出しすぎが原因と推測されています。

危険物を移送・運搬する事業所では、安全指導を徹底しよう

 危険物をタンクローリーで移送またはドラム缶等で運搬している事業所では、最近の事故事例などを運転者に知らせて危機管理意識を持たせるとともに、以下のポイントでの指導・監督を強化するよう心がけましょう。

※図は「運行管理者のためのドライバー教育ツール」  より
※図は「運行管理者のためのドライバー教育ツール」 より

●液体輸送時の車両特性に注意
 危険物なかでもガソリンなどの液体を移送するタンクローリー車は、液体がタンクの中で振動するため、カーブを曲がるときなど遠心力で積荷が外側に偏ったり、重心が不安定になり横転の危険が高まります。

 

 また、荷台にドラム缶などを積んで運搬する車両も、ドラム缶それぞれの液体内容物が缶の中で共振して、車全体の遠心力が増大することがあります。


 下り坂のカーブなどに差しかかったときには、スピードを十分に落とし、急ハンドルを避けて走行することを確認しましょう。

 

●交通閑散時の油断を警戒
 最近の事故例は、未明・明け方の時間帯に発生するケースが目立っています。交通量が少なくなると、危険物の輸送経験のあるプロドライバーでも、油断しがちとなり、ついスピードを出し過ぎる恐れがあります。

 夜中の3時頃から明け方は疲労や眠気もあり「魔の時間帯」であることを自覚し、とくに意識してスピードを控えめにするよう指導しましょう。

※図は「運行管理者のためのドライバー教育ツール」 Part2より
※図は「運行管理者のためのドライバー教育ツール」 Part2より

●イエローカードを常に携行
 イエローカードは、危険物の輸送事故に備えて、輸送品目名や種類、事故が発生したときのドライバーがとるべき応急措置、漏洩・飛散時の緊急措置、連絡先などが記載された書面です。
 可燃性ガス・化学薬品・液体酸素などを運ぶときは、必ずカードを携帯させましょう。

●出発前に車両備品をチェック
 危険物を移送・運搬する運転者は、緊急事態の備えとして必要な車両備品を携帯する必要があります。
 危険物に適合する消火器などを搭載しているか、必ず、チェックリストなどで確認させてください。

■交通事故が社会に大きな損害を与えることを指導しましょう

 

事故によって鉄道をストップさせたり、川や田んぼに化学物質・油などを流出させるなど、社会に大きな損害を与える事故が発生することがあります。

 

小冊子「こんなに大きい!事故の社会的損害」は、わずかなミスや、低い安全意識による交通事故が、事故の当事者以外の人にも大きな損害を与え、取り返しの付かない事態に発展することを理解していただくことのできる教育教材です。

 

【詳しくはこちら】

運行管理者のための運転者指導用教材

 危険物輸送時の安全指導は、指導・監督の指針に含まれた重要項目の一つです。

 

 シンク出版では、運行管理者が、事業用自動車の運転者に指導、監督を行うための資料を数多く出版しています。ぜひ、ご活用ください。

 

 詳しくは、こちらを参照



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