さる10月26日午後5時45分ごろ、岩手県の西和賀町の県道を走行していたパトカーが右から横断してきた高齢者をはね死亡させるという事故がありました。
事故の現場は片側1車線の見通しのよい道路で、高齢者は対向車線に停止した送迎車から降りて、道路を横断していたものです。
高齢者が車から降りた後、車の前か後ろのどちらを歩いていたかはわかっていませんが、どちらにしても対向車のヘッドライトを点灯しているとその前後から横断してくる歩行者は非常に発見しにくいので注意しなければなりません。
高齢者が対向車の前を横断してきた場合には、対向車のライトに照らされて歩行者の一部が消える「蒸発現象」などにより、非常に見えにくくなります。また、後ろを横断してきた場合でも、対向車の明るいライトに目が奪われて後ろの暗闇から来る高齢者を見落としてしまいます。
いずれにしても、対向車が停止したときにはその前後から横断してくる歩行者があることを予測するとともに、見えにくいことを頭に入れてスピード落として、意識して右からの横断者の発見に努めてください。
(シンク出版株式会社 2015.11.5更新)
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