最近の飲酒運転の事例をみますと、さすがに酒を飲んでそのまま運転したというケースは少なくなっていますが、代わりに浮上してきているのが、「酒を飲んで時間がたったので大丈夫だと思った」という事例です。
さる12月5日午後6時半ごろ、奈良県の田原本町の町長が国道169号脇の縁石に乗り上げ、さらに車を大型文化ホールの車止め置き石に衝突させる事故を起こし、基準値を超えるアルコールが検出されたため逮捕されました。
町長は、この日の午後1時半から1時間ほどの間に自宅で350ミリリットルの缶チューハイ1本、焼酎のお湯割1杯を飲んでいましたが、「酒を飲んだが飲んでから4時間くらい休憩したので、抜けていると思った」と供述しています。
私たちは、いろいろな飲酒実験に参加した経験がありますが、町長が飲んだ位の量なら1~2時間も休憩すると酔いが覚めたような感覚にとらわれ、運転できるような気がします。しかし、実際に呼気中アルコール濃度を検査してみると、基準値以上の数値が記録されたことが何度もあります。
一度体内に入ったアルコールは簡単には抜けません。自分の感覚と体内のアルコール量は違うということを頭に入れておきましょう。
(シンク出版株式会社 2015.12.9更新)
いわゆる二日酔いや、少し仮眠したから大丈夫と思って車を運転し、飲酒運転に陥る事例が後を絶ちません。
小冊子「『酒気残り』による飲酒運転を防ごう」は、川崎医療福祉大学の金光義弘特任教授の監修のもと、酒気残りのアルコールが身体に与える影響や、本人の 自覚と実際のアルコール含有量のギャップなどを紹介しており、「酒気残り」による飲酒運転の危険をわかりやすく理解することができます。