この時期になりますと、大雪で車が動けなくなったりすることがあり、車のなかでエンジンをかけたまま待機していると、マフラーが雪で塞がれて排気ガスが車内に入ってきて一酸化炭素中毒になる事故が起きています。
JAF(日本自動車連盟)では、その危険性を実証する実験を行っています。雪の中に2台の車を置いてエンジンをかけっぱなしにして、1台はマフラ―周辺を除雪し、もう一台は除雪しない状態で車内の一酸化炭素の濃度を比較しました。
それによりますと、除雪しなかった車では一酸化炭素の濃度16分後に頭痛につながる400ppmまで上昇し、22分後には死亡の危険がある1000ppmまで達したのに対して、除雪した車ではほとんど検出されていません。
また、運転席の窓を5㎝開けた場合でも、40分を過ぎるとめまい、吐き気、失神の危険がある800ppmに達しています。
雪深い地方に行く場合には、スコップや防寒用の毛布などを用意し、雪で閉じ込められた場合には、できるだけエンジンを切るようにしましょう。暖房のためにエンジンをかけざるを得ない場合には、頻繁にマフラーの周りを除雪するようにしてください。
(シンク出版株式会社 2016.2.3更新)
小冊子「雪道・凍結道の危険をイメージしよう」は、冬道を走行するにあたって、必要な知識が身についているか、また危険な行動をしていないかを「はい」「いいえ」でチェックすることにより、冬道走行の基本を学んでいただくことのできる教育教材です。