コリジョン・コース(collision course)現象という言葉をご存知ですか?直訳すると「衝突進路」現象、そのまま進めば衝突する進路にいる乗り物(飛行機・船・車)が互いに気づかない現象を指します。
自動車の事故の場合、田園型とか十勝型などと呼ばれる出会い頭事故の原因の一つです。
見通しのよい場所であるにもかかわらず、交差道路の接近する車を見落として出会いに衝突してしまうのです。
これは、相手車が同じような速度で接近すると、視野の外側の同じ場所に映り続けるため、視界の中で静止しているものと感じて、認識できないことがあるからです。
さる2月4日午前、栃木県真岡市の市道交差点で軽自動車とワゴン車が出会い頭に衝突する事故が発生し、軽の運転者の女性は意識不明の重体となっています。
双方にブレーキ痕はなく、ワゴン車の運転者は「直前まで相手の車に気付かなかった」と言っています。おそらく、コリジョン・コース現象のため見落としてしまったのでしょう。
見通しのよい交差点にさしかかったとき、相手車はいないと思い込まないで、少し左右に頭を動かして交差道路を確認する癖をつけましょう。視界が変わると認識できなかった交差車両が動いて見えて発見することができます。
(シンク出版株式会社 2016.2.18更新)
小冊子「自分で気づこう!!出会い頭事故の危険」は、出会い頭事故の発生する要因を6つに分類し、それぞれの要因別に事故事例とデータを紹介しています。
また事例に関連した設問を設定していますので、チェックすることにより、自分自身にどういった出会い頭事故の危険が潜んでいるかを気づいていただくことができます。