飲酒運転をして死亡事故を起こして裁判になり、危険運転致死などの罪に問われた運転者に対して 「飲酒の影響で正常な運転が困難な状態だったとは認められない」として、より刑の重い危険運転致死罪が適用されなかったという判決をよく聞きます。
裁判の実務では、「正常な運転が困難な状態」と認定するのは非常に困難なようで、車が蛇行するような明らかに異常な運転をしていない限り、「正常な運転が困難な状態だった」と認められないのが実情のようです。
しかし、危険運転致死罪が適用されなかった事故の状況を見ると、横断歩道を渡っている歩行者をはねたり、道路左側を歩いている歩行者をはねたりしており、私たちから見れば明らかに飲酒の影響で正常な運転が困難だったからこそ、事故を起こしたのではないかと思われる事例は数多くあります。
裁判の判決に文句をつけるつもりはありませんが、飲酒運転をして死亡事故を起こすような運転、これこそが「飲酒の影響で正常な運転が困難だった」に相当するのではないかと思います。
飲酒運転の車に大切な人を殺された遺族の方は、当然同じ思いを持っておられることだと思います。一日でも早く、飲酒運転の犠牲者がなくなる日が来ることを祈ってやみません。
(シンク出版株式会社 2017.2.15更新)
いわゆる二日酔いや、少し仮眠したから大丈夫と思って車を運転し、飲酒運転に陥る事例が後を絶ちません。
小冊子「『酒気残り』による飲酒運転を防ごう」は、川崎医療福祉大学の金光義弘特任教授の監修のもと、酒気残りのアルコールが身体に与える影響や、本人の 自覚と実際のアルコール含有量のギャップなどを紹介しており、「酒気残り」による飲酒運転の危険をわかりやすく理解することができます。