以前、カーレースの最高峰であるF-1レースの日本大会の競技長と仕事をしていたことがあります。
その方の言われたことで印象に残っていることは、運転するとき運転ポジションです。F-1のレーサーは、自分の運転ポジションを決めるのに、2日も3日もかけているということでした。
とくに、強調されたのが、シートに座ったときにお尻と背もたれの間に隙間を作らないということでした。
隙間があるとブレーキを踏んだときに、まずお尻が後ろに下がって背もたれに当たり、そこを支えにしてブレーキペダルに力が伝わりますから、ブレーキが効き始めるまでに、コンマ何秒かの遅れが生じるのです。
時速200キロ以上で走るF1カーでは、そのわずかな遅れが命取りになるのです。
一般道路ではそんなにスピードを出さないからと侮ってはいけません。スピードが出ていなくても、コンマ何秒かのブレーキの遅れが命取りになることが少なくありません。運転するときには、背もたれからお尻を離さずに、きっちりとつけて運転する習慣をつけてください。
(シンク出版株式会社 2017.3.22更新)
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