ひき逃げは、重大な犯罪として追及されます!

【救護義務を果たさなかった罪で、懲役3年の実刑】

■飲酒発覚を恐れて逃げると罪はさらに重くなる

飲酒運転の発覚を恐れ「ひき逃げ」

 2018年5月20日の夜、高松市寺井町の県道で、自転車に乗っていた高松市職員の男性(当時54歳)が車に追突され、頭を強く打って意識不明の重体となりました。

 

 この事故を起こした会社員の男性(40歳)は酒を飲んで運転していたため、飲酒運転が発覚するのを恐れてそのまま逃げました。

 

 翌日の昼に「ニュースで見た、自分かも知れない」と出頭し、ひき逃げ容疑で逮捕されました。

 被害者の市職員の男性はその後、死亡しました。

 

【裁判所の判断】

 この事故の罪を裁く判決公判は2018年7月24日に行われ、高松地裁の裁判長は、「飲酒の発覚を恐れて立ち去り、救護義務を果たさなかったのは無責任かつ卑劣」などとして、懲役3年6か月の求刑に対して、懲役3年の実刑判決を言い渡しました

 

(※編集部注:この運転者は懲役刑を終えたあとも、運転できない可能性が高いと言えます。

 ひき逃げの交通違反点数は35点ですが、酒気帯び運転の違反点数13~25点が加算されます。飲酒

 のアルコール濃度が認定されなくても、アルコール等影響発覚免脱罪が適用されると危険運転致死

 罪と同等の62点が加算され90点を超えるため、免許取消しで欠格期間は10年となり、10年間は運

 転免許が取得できません)

【わずかな接触でも「救護義務違反」に問われることがある】

■「大丈夫だろう」という安易な判断は禁物

ながらスマホ事故

 車が低速度で人や自転車等と接触したとき、「大したことはないだろう」と勝手に判断してそのまま現場を離れる運転者がいます。しかし、このような行為はひき逃げに問われる可能性が高くなります。

 

 2017年1月19日、兵庫県川西市の生活道路で、曲がり角から顔を出して安全確認をしようとした5歳の幼稚園児に、やってきた軽ワゴン車が接触し、はずみで園児は転倒して後ろの子どもにぶつかり、後ろの子がまぶたを切るなど2人は軽傷を負いました。

 

 事故を起こした会社員の男性(29歳)はそのまま受注先への納品を済ませてから、10分後に現場に戻ってきましたが、警察に「ひき逃げ」犯として逮捕されています。 

 男性は「道が狭くて転回できなかった」などと弁解しましたが、納品を優先させたのですから大したことはないと軽く考えていたのは間違いないでしょう。

 

 たとえ大した接触ではないように見えても、絶対に現場から立ち去らないで、怪我の程度を確認し、必要な場合は救急車を呼んで警察官の到着を待つなど、運転者としての務めを果たすようにしましょう。

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10月10日(木)

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