タイヤの点検を徹底していますか?

自動車運転中の禁煙を指導

 

 自動車の点検・整備は安全運行を確保するためには重要ですが、ともすれば、最近の車両は故障しないといったイメージが強く、不具合が出るまで日常点検整備をしない運転者が多いと言われています。

 しかし、事業所の車両が点検不良で事故などを誘発した場合は、管理責任を問われます。10月は点検整備推進運動の強化月間でもありますので、点検・整備の徹底を呼びかけましょう。

 

■足回りの点検が重要

 

 とくに最も重要な点検ポイントは足回りです。タイヤは車両の安全を支える基本ですので、念入りにチェックしましょう。

 

 なお、大型車については2018年10月からスペアタイヤの定期点検も義務づけられます。ボルト・ナットの点検と合わせて、現場に徹底を指示しましょう。

【こんな責任が追及されています】

喫煙によるわき見運転事故

■タイヤ脱落事故で管理者も書類送検

 

 2018年6月、愛知県の国道でトラックのタイヤが外れて乗用車にぶつかり、運転者の男性が軽傷を負う事故が発生しました。

 この事故について愛知県警は9月7日、トラックの男性運転者(44)と管理者らを書類送検しました。

 

 事故は愛知県蒲郡市の国道23号で走行中のトラックのタイヤ2本が外れ、そのうち1本が対向車線の乗用車にぶつかったものです。乗用車を運転していた男性は、頭や首に軽いけがをしました。

 

 愛知県蒲郡警察署は、点検不十分なまま運行を開始したとして、トラックの運転者を過失運転致傷の疑いで書類送検したほか、注意義務を怠ったとして、運行管理者(43)や整備管理者(29)も、業務上過失致傷の疑いで書類送検しました。

 

 警察の取り調べに対し、全員容疑を認めているということで、タイヤが外れた原因はナットの緩みで負担がかかったボルトが折れたためとみられています。

■大型車のボルト・ナット点検を徹底

日本自動車工業会作成/国土交通省配布のチラシより
日本自動車工業会作成/国土交通省配布のチラシより

日常点検でチェック

 自動車点検規則により、車両総重量8トン以上のトラックと乗員30人以上のバスはボルト・ナットの点検が義務づけられていますが、大型車の車輪脱落事故は依然として年間30件近く発生しています。

 

 定期点検時にはもちろん、日常点検整備においても、ボルト・ナットを目視して損傷やひび割れなどがないか確認し、点検ハンマーで緩み等がないかチェックしましょう。

 

■3か月点検で締め付けチェック

 また3か月点検では、トルクレンチなどを用いて、ホイールナットを規定のトルクで締め付けます。締めすぎに注意します。

 インナー・アウターナットで締め付ける方式の場合は、半数(1個おき)づつ、アウターを緩めてからインナーを締め付け、アウターを締め直すなど、規定の締め付け方法を守って締め直します。

 

■12か月点検できめ細かくチェック

 12か月点検では、ディスクホイールを取り外して、ボルト・ナットに傷や損傷はないか、著しい錆の兆候はないかなど、きめ細かく点検します。

 

■タイヤ交換時の確認

 スタッドレスタイヤへの交換などを実施した後の11月以降の冬期に特に脱落事故が起こりやすいので、ホイールに適合したボルト・ナットを使用すること、タイヤ交換後50~100km走行後に増し締めを行うなどの点を注意しましょう。

 

 また、国土交通省は特に脱落の多い左側後軸(全体の8割強)の点検を念入りに行うように呼びかけています。

 

国土交通省の資料「車輪脱落事故発生状況(平成29年度)」より
国土交通省の資料「車輪脱落事故発生状況(平成29年度)」より

■車のタイヤ不良は「空気圧不足」が最も多い

 一般社団法人日本自動車タイヤ協会が2018年4月に全国8か所で実施したタイヤ点検等の結果によると、タイヤ不良車両が点検車両全体の21.2%にのぼり、5台に1台の車に何らかの不良箇所がみつかりました。

 不良の中で最も多いのは、タイヤの空気圧不足で、乗用車では全体の17.0%、トラックでは14.3%でした。

 

 空気圧不足は、車の燃費に悪影響を及ぼすだけではなく、タイヤ寿命を縮めます。

 さらに雨の日にハイドロプレーニング現象が起こりやすくなったり、タイヤの波打ちからバーストの危険が高まるなど、安全走行に大きな影響があります。

 

 タイヤ協会では、ドライバーの日常的な空気圧チェックが行き届いていないことに警鐘を鳴らしています。

 事業所では、月末に空気圧点検日を設けるなど定期的にチェックする態勢を整えましょう。

■タイヤの摩耗は制動距離の延長につながる

 JAF(日本自動車連盟)がタイヤの摩耗具合と、雨の日の制動距離について興味深い実験をしています。

 

 時速60キロ走行時にブレーキをかけたとき新品タイヤ(平均溝深さ7.6mm)と5分山タイヤ(同4.7mm)では、乾いた路面・濡れた路面ともに、制動距離に大きな差は見られませんでした。しかし、2分山タイヤ(溝深さ3.1mm)は乾燥路面で平均15.8mでしたが、濡れた路面では18.0mと2m以上伸びています。

 

 また、高速道路を想定し時速100キロでブレーキをかけた場合、新品タイヤでは制動距離に大きな差は見られませんでした。しかし、5分山タイヤは乾燥路面、平均44.1mに対して濡れた路面では50.8mと約7m伸びました。

 さらに2分山タイヤの場合は乾燥路面で42.6mで止まれたものが、濡れた路面では70.5mにも伸びました。

 摩耗したタイヤは雨が降ると非常に制動距離が伸び、追突事故などの危険が増加することがわかります。残り溝の使用限度は1.6mmですが、早めの交換が安全です。

 

■キャンピングカーもタイヤ空気圧不足の傾向にある

 また、タイヤ協会が行ったキャンピングカーの重量測定でも、タイヤの空気圧不足傾向が明らかになっています。

 2018年2月に実施したキャンピングカーの測定では、調査台数17 台のうちタイヤ負荷率が90%超~100%以下の車両が9台(52.9%)、100%超が2台(11.8%)ありました。

 

 タイヤ負荷率100%超の2台は、空気圧不足が原因であり、その場で指定空気圧まで空気を補充して、過負荷状態を解消したということです。

 一般的にキャンピングカーは過負荷傾向にあると思われ、タイヤ協会では、 キャンピングカーの過負荷防止(過積載、偏荷重)及び空気圧管理の重要性等を訴えています。

 

  ※メーカーにもよるが、キャンピングカーのタイヤ負荷率は85%以下が推奨されている。ただし、

   空気圧が20Kpa低下するとタイヤの負荷率は約5%上昇すると言われている。

【こんな事故が起こっています】

喫煙によるわき見運転事故

■キャンピングカーの後輪が破裂

 

 2018年8月5日午後430分ごろ、茨城県那珂市の常磐自動車道で家族5人が乗るキャンピングカーの右後輪タイヤがバーストし、運転者(60歳男性)が路肩に停車しようとしたところ、ガードロープに接触、急ハンドルを切ったことで本線側へ戻り、第2車線で右側を下にして横転しました。

 

 この事故で、乗員5人のうち後ろのベッドやソファーに乗っていた女性2人と生後11か月の女の子が道路上に投げ出されて、運転者の娘さんである26歳の女性1人が死亡し、妻の女性と孫の2人が重傷を負いました。

■10月1日から、スペアタイヤ・ツールボックス等も定期点検項目に

 国土交通省では、平成30年6月27日に自動車点検基準などを改正し、大型トラック・バスのスペアタイヤやツールボックスの定期点検を義務づけました。

 

 事業用自動車の定期点検の基準を定める別表3及び別表4に「車両総重量8トン以上または乗車定員30人以上の大型自動車のスペアタイヤとその取付装置の状態等」が追加されます。これは3か月ごとに行う点検項目への追加です。

 

 点検内容として以下の内容を定めました。 

  • スペアタイヤ取付装置の緩み、がた及び損傷
  • スペアタイヤの取付状態
  • ツールボックスの取付部の緩み及び損傷
  • スペアタイヤを取り外して、取付装置に緩み、がた、損傷がないかをスパナ、目視、手で揺するなどして点検すること。また、スペアタイヤのディスクホイールに亀裂や損傷がないか、装置とタイヤ合わせ面に摩耗・損傷などがないかを点検すること。
  • スペアタイヤを取り付けた際に、装置のハンドル等が円滑に回りチェーンにねじれ等が無いことを確認する。取付後はタイヤに異常な傾きや緩みがなく、確実に取り付けられているかを目視、強く押すなどして点検すること。
  • 車外に取り付けたツールボックス・資材箱などの取付部に緩み及び損傷がないかをスパナ、目視などにより点検すること。
  • (☆トランクルームに置いたスペアタイヤについては取付装置がないので点検対象外)

 ※「自動車点検基準」「自動車の点検及び整備に関する手引き」(平成30年6月27日改正分)より要約 

今日の安全スローガン
交通安全スローガン
今日の朝礼話題

12月17日(月)

サイト内検索
運行管理者 安全運転管理者 出版物 教材

──新商品を中心に紹介しています

──労働災害防止教育用DVDの取扱いをはじめました

運行管理者 指導監督 12項目 トラック 貨物運送事業所
交通安全 事故防止に役立つリンク集
SSD研究所 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理
安全運転管理.COM 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理 教育資料 ドライバー教育 運転管理

当WEBサイトのコンテンツの利用、転載、引用については「当サイトのご利用について」をご覧ください。