以前も、夜間走行は上向きライトが基本というお話をしました。
前方の危険を少しでも早く発見するために、対向車や前車のいない場所ではすぐにライトを上向きに戻すことが重要です。
これは高速道路でも同様です。
さる7月1日の午前3時15分ごろに山陽自動車道で乗用車の自損事故を発端にトラック・バス4台がからむ多重衝突事故が発生し、路上に出ていた2名の運転者が死亡しました。
この事故に対する自治体や警察本部の対策会議で、事故防止のためには、「夜間の上向きライト使用を指導するべき」という意見が出たことが報道されていました。
後続車の中に下向きライトの車がいて、前方で発生した事故の発見が遅れた可能性もあったのだと思われます。
高速道路では速度が出ているため、より遠い前方の安全確認が非常に重要です。しかし、車間距離を詰めて走行している車は前車に気を遣ってライトを下向きに減光している場合が多く、それが多重衝突の一因となる危険があります。
車間距離が短いまま上向きライトにすると「あおり運転」と勘違いされる場合もありますので、夜間の高速道路ではライトを上向きにするために車間距離を十分にとる習慣をつけて、他車の事故やトラブルに対して安全に対応できるよう心がけましょう。
(シンク出版株式会社 2019.7.22更新)
運転するにあたっては、常に快適な環境とは限りません。雨の日や、夜間は見通しが悪くなりますし、堤防道路や山間部などは、幹線道路と大きく道路環境が異なります。
本冊子は、「雨天走行」や「トンネル走行」、「夜間走行」、「渋滞走行」、「山間部の走行」といった悪条件下における事故防止をねらいとした教育教材です。
各場面で注意すべき要点を簡潔にまとめていますので、事故防止のポイントを簡単に理解していただけます。