ゼブラゾーンへの駐停車の危険を指導していますか

■走行は違反ではないが、車を止めると追突事故を誘発

ゼブラゾーン駐停車は危険

 

 道路には白い縞模様で表示したゼブラゾーン(導流帯)という部分があります。

 

 比較的道路幅に余裕のある場所などで、右折車線への誘導をしたり、前方で車線が減少している場合に早めの緩やかな進路変更を促す目的などで設置されています。

 

 運転者は円滑な走行を確保するため、導流帯の示す道なりに従って走行するべきですが、黄色線で囲われた「安全地帯」のような車の進入禁止場所ではなく走行車線の一部なので、この場所に道路横断などのため一時的に入ったり、混雑時などにやむを得ず走行することは、道路交通法違反にはなりません。

 しかし、停車したり長時間駐車したりすると、後続車の追突を招くので非常に危険です。

 

 最近、ゼブラゾーンでの追突事故が相次いでいます。ゼブラゾーンは車が走行しない場所なので大丈夫だろうと感じる運転者もいるようですが、時間調整や休憩のためにこうした場所に駐停車しないように指導を徹底しましょう。

こんな事故の責任が問われています

■駐車していて追突されたトレーラの運転者を書類送検

トンネル入口付近のゼブラゾーンで追突事故

 

 2018年11月16日午前8時25分頃、大阪府吹田市の市道トンネル入り口付近のゼブラゾーンで駐車中のトレーラに女性(当時56)の運転するバイクが追突し、バイクを運転していた女性が死亡する事故が発生しました。 

 

 この事故に責任があるとして、2019年4月に駐車していたトレーラーの運転者が自動車運転処罰法違反(過失運転致死)の容疑で書類送検されました。

 

 書類送検されたトレーラ運転者は「取引先の営業開始を待つため、広くて止めやすい場所で2時間ほど待機していた。以前にも止めたことがある」と話しています。  

 

 貨物自動車の運転者のなかには、荷主事業所等に早く到着した場合の時間調整などの理由から、こうした場所で休憩するケースが少なくないようです。

■停車して事故を誘発した保冷車の運転者を逮捕

ゼブラゾーンに停車した保冷車事故誘発

 

 2019年7月19日午後5時45分頃、大阪市住之江区の市道で、生花加工配送会社の社員が会社の保冷車を走行車線脇のゼブラゾーンに停車していたところ、後続のバイクが保冷車を避けるため転倒し、バイクに乗っていた男性(当時61)が投げ出されて隣を走ってきた大型自動車にひかれ、死亡する事故を誘発しました。

 保冷車の運転者は、事故を目撃しながらそのまま立ち去りました。

 

 この運転者は、「自分が責任を取りたくない」という思いから警察等への通報を怠って逃げたことを認めたため、自動車運転処罰法違反(過失運転致死)と道路交通法違反(ひき逃げ)容疑で逮捕されました。

 

 死亡事故点数とひき逃げ違反点数を加算すると、この運転者は5年以上の欠格期間を有する免許取消処分となる可能性があります。 

■走行禁止ではないが駐停車は危険

●警察も危険な駐停車違反を積極的に取り締まる方針

 前述したようにゼブラゾーンは走行車線の一部なので「安全地帯」などと違って通行禁止ではありません。一方で、駐車禁止となっている場所が多いのです。

 本来、駐停車場所を作ろうとして設置されたものではなく、ゼブラゾーンを走行する車もあるのですから、駐車禁止場所ではなくても駐停車は危険です。

 

 ゼブラゾーンでの事故については、追突した後続車側に対して前方不注視などの道路交通法違反が適用されていますが、事故が多発した大阪府警察本部などは危険な駐停車をする運転者の責任を重く見て、取締りを厳しくする方針を打ち出しています。

待機場所や休憩場所について管理・指導をすすめよう

■荷主に対して待機場所整備を求めよう

休憩場所・待機場所の整備

 ゼブラゾーンへの駐停車が多い背景には、トラックなど大きな車両の駐停車場所や休憩場所が少なく、運転者の判断に任されているケースが多いからです。

 

 遅れてはいけないため目的地に早めの到着をすると、荷主等からは「入口付近の道路に止めないで」「会社の近くで待たないで」と指示される場合があります。

 また予定通り到着しても、荷主側の都合で運転者が長時間待たされるケースは少なくありません。

 困った運転者たちは、交通量が少なく目につきにくい場所をと考えて、ゼブラゾーンに集まるようです。

 

 「少しの延着も認めない」というような荷主に対しては、運行管理者の方から早く到着した車の待機場所の提供を求めて、運転者の負担を軽減するように努めましょう。

 実際に、元請物流会社のなかには、他社の車両に配慮し倉庫敷地内に待合駐車スペースを設置し、運転者には建物内の休憩所で身体を休めるように促している企業があります。こうした協力を得られないと運転者が追い詰められ、輸送の安全を維持できないことを訴えましょう。

■駐車場所・休憩場所の指示も管理者の仕事

ゼブラゾーンなどへの駐停車は追突事故を誘発
ゼブラゾーンなどへの駐停車は追突事故を誘発

 また、乗用車などを使用する一般的な事業所の管理者としても、運行先での安全な休憩場所をあらかじめ指定し、駐車場料金などのコストが必要経費であるという姿勢を示しましょう。

 

 経験の浅い営業マンなどは、ゼブラゾーンなどに駐停車しているトラックなどを見かけたとき、ここは大丈夫なのだろうと安易に考えて、その後ろに停車して休憩などをするおそれがあります。

 休憩中に追突事故にあうと従業員自身が死傷する危険も発生します。

 

 駐停車料金も運行コストのうちだという考え方を浸透させ、ゼブラゾーンなど危険な場所での休憩や駐停車をしないように教育してください。

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4月22日(月)

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