第23回交通大学を開催

 

 令和元年10月28日(月)に岡山市のターミナルスクエアにおいて、「人に優しい安全な交通社会を目指して」をテーマに、第23回交通大学が開かれました。 

  

 交通大学は、「マイクロメイト岡山株式会社」と「NPO法人安全と安心 心のまなびば」が主催する講座で、今回で2年目となります。 

  

 今回の交通大学は、約130名が受講し、以下に紹介する特別講演ならびに4つの講座を熱心に受講されました。 

 

■開催に当たって

 まず、交通大学のコーディネーターである川崎医療福祉大学名誉教授であり、NPO法人安全と安心 心のまなびばの理事長である金光義弘先生から開催に当たっての挨拶がありました。

 そのなかで、今年の大雨による災害に対して、「まさかこんなことが起こるとは思わなかった」と言う人が多かったことを取り上げ、「これからは起こるリスクに対して、想定の範囲を拡げて対処する」必要があると、交通事故をはじめとするリスクに対して、最大限の備えをしなければならないと述べられました。

 

 

※過去の交通大学について詳しくはマイクロメイト岡山㈱のWEBサイトへ 

 

http://www.mmo-co.com/sd/seminar.html

 

■特別講演 おとなも子どもも楽しいまちづくり

      ~忠恕の精神と公共交通の再生~

 

──小嶋 光信(両備グループ代表兼CEO)

  

 両備グループは2020年に創立110周年を迎えるが、100周年を期に経営理念を「忠恕の精神」(=真心からの思いやり)を基本に据えて、事業活動に取り組んできました。

 小嶋氏は、現在日本の地方が衰退しているが、それは住民生活を支える公共交通がどんどん廃れていることに原因があり、両備グループは生活の足である公共交通が地方を支えるという信念のもと、公共交通を運営しながら楽しい町づくりを目指している、ことを説明しました。 

 

■第1講座 子どもに対する交通安全教育

 ~交通マナー授業の実施を通じて~

 

──矢橋 昇(交通評論家/NPO法人安全と安心 心のまなびば副理事長) 

  

 矢橋氏は、交通事故による死者数や負傷者数などは徐々に減少しているが、物損事故だけを見ると少し増えているということを指摘し、その背景にあるのは公共マナーが低下していることを指摘しました。

 公共マナーを高めるためには、幼少期からの躾や教育が重要で、矢橋氏らが小学校高学年に対して実施している交通マナー授業の説明をしました。 

 

■第2講座 「高齢ドライバーとどのように向き合うかを考える(フォーラム形式)」

「【私たちがやらねば】の思いで歩いた20年」

~高齢者講習を通じての安全・安心へのお手伝い~

──多田 恵二(玉野自動車教習所交通安全教育センター長)

 

 多田氏は、同教習所がこれまで平成10年から20年間取り組んできた「高齢者講習」について、現場で取り組んできた実施方法や印象に残る事例などを報告しました。

 そのなかで、アクセルとブレーキの足の移動が気になることや、年を取ると感覚が衰えるので、毎日五感(視覚、聴覚、臭覚、触覚、味覚)を鍛えることが大事だということを訴えていることなどを説明しました。 

「高齢ドライバー向け運転改善心身プログラム」

~心身いきいき運転塾の取り組みについて~

──森下 高博(益田ドライビングスクールやわらぎ部部長)

  

 森下氏は、同教習所で実施している「心身いきいき運転塾」の取り組みについて報告しました。

 これは、心身機能活性運動療法を取り入れた高齢者向けの運転改善心身プログラムで、高齢になると身体が思うように動かない、反応が遅れるなど心身機能の低下が事故につながることから、フィンガースポーツ療法やフラハンド有酸素運動などで心身機能の低下予防あるいは改善につながることが期待できることを報告しました。 

 

■第3講座 発達障害について

     ~指導における留意点~

 

──諏訪 利明(川崎医療福祉大学医療福祉学部准教授) 

  

 諏訪氏は、「発達障害」とは自閉スペクトラム症候群(ASD)、学習障害、注意欠如多動性障害などの脳機能の傷害であり、発達障害と診断される人たちが増えていて、今や社会の中でどこでも存在する人たちであることを紹介しました。

 そして、こういう人たちに関わるときに、どのようなことを理解しておかなければならないか、また教えたいことがあるときにどのような工夫が有効なのかなど具体例を交えて紹介しました。

 

第23回交通大学データ

・日時 令和元年10月28日(月)10:10~16:30 

・会場 ターミナルスクエア

・主催 マイクロメイト岡山株式会社(木村憙從代表取締役会長) 

・コーディネーター 金光義弘(川崎医療福祉大学名誉教授・NPO法人 安全と安心 心のまなびば 理事長) 

・プログラム 

特別講演 「おとなも子どもも楽しいまちづくり」

──小嶋 光信(両備グループ代表兼CEO)

第1講座 「子どもに対する交通安全教育」 

──矢橋 昇(交通評論家) 

第2講座 「高齢ドライバーとどのように向き合うかを考える(フォーラム形式)」 

「【私たちがやらねば】の思いで歩いた20年」

──多田 恵二(玉野自動車教習所交通安全教育センター長)

「高齢ドライバー向け運転改善心身プログラム」

──森下 高博(益田ドライビングスクールやわらぎ部部長)

第3講座 「発達障害について」 

──諏訪 利明(川崎医療福祉大学医療福祉学部准教授)

 

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