さる1月28日午後4時45分ごろ、札幌市中央区の信号のある交差点で左折しようとした観光バスと札幌市電の路面電車が衝突する事故がありました。
事故の状況は、路面電車と観光バスは信号待ちのため並んで止まっていたのですが、信号が青に変わって電車が発車したところ、同時に観光バスも発進して左折をしようとしたため、路面電車と衝突したものです。
路面電車の線路は、通常は道路の中央を通っていますが、今回事故が起こった場所のように歩道側を通る構造の場合もあります。
道路中央に線路がある場合には、右折する車が軌道敷内に入って路面電車と衝突する事故が多発します。歩道側に線路がある場合には、反対に左折する車が軌道敷内に入って路面電車と衝突します。
こうした事故の背景には、いずれも車のドライバーが安易に軌道敷内を走行しようとする態度にあるように思います。軌道敷内は原則として走行が禁止されており、右折や左折などで軌道敷内を横切るときのみ例外的に通行が認められているに過ぎません。その場合も路面電車の進行を妨げると違反となります。
軌道敷がある道路を右左折するときには路面電車が優先という意識を持つようにしてください。
(シンク出版株式会社 2020.2.6更新)
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※監修
信田正美(元・岐阜県警察本部交通部管理官)