バス乗務員のウイルス感染予防を徹底する

■新型コロナウイルスからバスドライバーを守ろう

写真はイメージです
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ロンドン市バスでは、多数の乗務員が感染症の犠牲に

 

 新型コロナウイルスの流行はバス事業者に多大な影響を与えています。

 

 貸切バスでは多くの運行がキャンセルとなり、経営上で大きなダメージを受けているだけでなく、毎日運行する路線バスなどでは、乗務員が感染する危険にも対処する必要があります。

 

 英国では、新型コロナウイルスに感染したロンドンの市バス乗務員8人が死亡していたことが、4月7日までに明らかになりました(地下鉄運転士も2名死亡)。

 英労組「ユナイト」は、市バス乗務員たちが「国民保健サービス(NHS)スタッフや介護スタッフを勤務先に運ぶため、英雄のように働いていた」と述べ、彼らの死を「悲劇」と呼んでいます。

 

 ロンドン市バスは、車両の徹底洗浄、運転手の周りの透明の防御スクリーン設置、手指のための消毒薬設置、運転席に近い座席には複数のロープが張られ使用禁止など、運転者を感染から守るための措置をとっています。

(4.8_BBCニュースより) 

 

 ※続報:ロンドンの交通当局は、4月17日までにバス運転者等計20人が新型コロナウイルスによっ

  て死亡したことを公表し、強い追悼の意を表明しました。また、以下のような新たな感染防護措

  置を導入しました(4.18_AFP通信ニュースより)。

  • バスの乗客が今後、運転手に近い前方のドアを使用することを禁止する。
  • 乗客は中央部のドアを使って乗降するよう求められる。運転者への話かけも禁止する。
  • 事前にチケットを購入して車内のチケットキャンセラーを使用するか、非接触型ICカードを使って乗降する。

 ※関連情報:チェコ共和国の交通当局は、政府がマスク等なしの外出を禁止したことを受け、バス

  や地下鉄・トラムの乗客にもマスク着用を要求し、着用しない人の乗車を拒否しています。マス

  クを入手できない人は、スカーフ・ハンカチでもいいので口元を覆うことが求められます。

   また、運転者の車内でのチケット販売と料金の収受を中止し、やはり運転席周りはテープで隔

  離され、乗客が接近できない措置をとっています。

  (4.19_東洋経済オンラインニュースより)。

バス事業者各社における感染予防策

 

 我が国のバス事業者でも感染例がみられ、一層の努力が求められています。各社のホームページなどを参照すると、概ね以下のような対策をとっていることがわかります。

 

【乗務員全員のマスク着用】

【客へマスク配布】……車内でのマスク着用徹

 底のため客へマスク無料配布(高速バス)

【点呼時の検温/健康観察の徹底】……非接触

 型「赤外線体温計」の導入、倦怠感や息苦し

 さなどがないかを問診、距離をとって会話

【アクリル板などの設置】……点呼スペースで

 は、透明のアクリル板やビニール製カーテン

 などを設置して飛沫防止をする。

 また、管理者も点呼後はうがい・手洗いを徹底する

アルコール検知器の感染予防……検知器関連の感染を避けるため、使用前後の手指消毒と手洗い

 を徹底する(検知器の消毒方法はメーカーに問い合わせる)

【手洗い等の徹底】……乗車前、休憩時、昼食時、乗車交代時、トイレ利用時など石鹸による手洗い

 とうがいの励行を指導

【消毒薬の備えつけ】……販売窓口での乗客の手指消毒用、貸切バスでは乗車口や各座席に設置、乗

 務員には携帯用手指消毒液、アルコール除菌シートの配布

【車内の消毒】……ひじかけ、手すり、握り棒、つり革、ドアノブなど、乗客が手を触れる箇所を消

 毒薬(アルコールまたは次亜塩素酸ナトリウム水溶液等)で清掃

【キー・共用物の消毒】……遮蔽型紫外線消毒機器などを利用。共用携帯端末は交代時にそのつど、

 エタノール等で消毒、料金計器箱の消毒・清掃

ブランケット等の設置中止】……貸切バスでは、ブランケット等の各座席への設置を中止する。

 乗客には換気による車内温度変化に理解を求め、服装の工夫を求める

【乗務員休憩室の対策】……定期的な消毒と換気の励行、2m以上など距離をとった会話の励行。

 狭い休憩室は3密を避けるため使用を停止し、食堂等は時間をずらして使用するなどの制限

【喫煙室の使用中止】……喫煙室での感染例が指摘されたので使用を停止。屋外に喫煙スペース

【車内の換気】……運行中のバス車内は外気と内気が切り替わる外気循環を実施(満員時は適宜窓を

 開放、換気中ステッカーなどを貼付)。休憩時や乗客の降車後に窓を開けて換気。車庫入れ前に電

 気噴霧機による強制換気・消毒

【座席へ抗菌カーテンの実施……飛沫拡散防止に抗菌カーテン設置(貸切バス3列独立シート)【運転席周り座席の使用停止】……運転者に近い最前列座席を順次使用中止にする

黄色いラインで乗客・運転者と距離】……バス車内前側床面に黄色いラインを引き、できるだけ、

 「ラインより前に立たないよう」客にお願いする

【乗客注意喚起資料の掲示】……「咳エチケット」などのポスターを車内に掲示

【QRコード読み取りによるコロナウイルス追跡システムの導入】……万が一、乗客に罹患者がいた

 場合、他の乗客への連絡(感染者追跡)を行う

 

 いくら消毒やマスクなどで自衛しても見えないウイルスへの不安はつきません。しかし、公共交通の乗務員は今や国民全体にとっての貴重な人材です。1名たりとも犠牲にしないという強い意志をもって、管理者ができる最大限の努力をして運転者・乗務員を守っていただきたいと思います。  

※ バス協会等も感染予防ガイドラインを公表しています。以下のサイトを参照してください。

 日本バス協会 「バスにおける新型コロナウイルス感染予防対策ガイドライン」(第4版)

 貸切バス旅行連絡会貸切バスにおける新型コロナウイルス対応ガイドライン」(第2版)

※ 新型コロナウイルスの消毒・除菌方法については、以下のサイトを参照してください。

  経済産業省・厚生労働省等 「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について取りまとめ

■交通事業者の取組紹介ポスター  →公共交通の研究者や関係者が無料で使えるバス車内掲示用のポスターを作成しています。 公共交通の感染防止策まとめ情報サイトからダウンロードできます。

 また、このWEBサイトでは、交通事業者の感染防止策を日々更新して情報発信しています。

■アルコール検知器協議会作成のチラシ  → 同協議会のwebサイトからダウンロードできます

■厚生労働省作成の咳エチケットポスター・リーフレット 

  → 厚生労働省のwebサイトからダウンロード(啓発目的であれば自由に利用が可能)


■厚生労働省作成の感染症予防啓発リーフレット 

  → 厚生労働省のwebサイトからダウンロード(英語版あり/啓発目的であれば自由に利用が可能)


■国土交通省が「新型コロナウイルス感染症に係る相談窓口」を設置

 なお、国土交通省の各地方運輸局では、新型コロナウイルスの感染拡大に備えて、自動車交通部にバス・タクシー・トラックなど交通事業者等向け特別相談窓口を設置して、事業者からの相談や要望に対応しています。以下は、路線バス・貸切バス対象の窓口一覧です(国土交通省資料より)。

 経営上の支援策を含めて、社内で解決のつかない問題点は積極的に相談しましょう。

 地方運輸局 自動車交通部等 新型コロナ感染症に関する相談窓口 一覧
 ●北海道運輸局/旅客第一課  電話:011-290-2741 FAX:011-290-2704
 ●東北運輸局/旅客第一課  電話:022-791-7529
 ●関東運輸局/旅客第一課  電話:045-211-7245
 ●北陸信越運輸局/旅客課  電話:025-285-9154
 ●中部運輸局/旅客第一課  電話:052-952-8035
 ●近畿運輸局/旅客第一課  電話:06-6949-6445
 ●中国運輸局/旅客第一課  電話:082-228-3436 FAX:082-228-3452
 ●四国運輸局/旅客課  電話:087-802-6771
 ●九州運輸局/旅客第一課  電話:092-472-2521
 ●沖縄総合事務局/運輸部陸上交通課  電話:098-866-1836

■社内に感染者が出た場合の対処法

※以下のWEBサイトも参照してください

 ・日本産業衛生学会 → 職域のための新型コロナウイルス感染症対策ガイド

 ・日本渡航医学会産業保健委員会 → 新型コロナウイルス情報/企業と個人に求められる対策

 ・厚生労働省のWEBサイト → 新型コロナウイルスに関するQ&A 企業向け

 

※なお厚生労働省は4月末に新型コロナウイルスに感染した場合の労災認定の考え方をまとめ、医療・介護従事者は、仕事以外での感染が明らかな場合を除いて、原則、労災と認めることを決めました。また、その他の仕事でもバス・タクシー運転者など接客等の感染リスクが高い場合は、感染経路が分からなくても個別に判断することにしています。症状が出るまでの潜伏期間の仕事や生活状況などを調べ、感染と業務との関連性が判断されます。 

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