さる6月19日、一昨年横浜市で路線バスが暴走し、道路脇の柱や前方の車に次々と衝突し、乗っていた高校生が死亡したほか、乗客4人が重軽傷を負った事故の判決が横浜地裁でありました。
この事故で、バスの運転者は、運転途中に体調不良で前方に注意を払うことが難しかったのに運転をやめず、事故を起こしたとして、過失運転致死傷の罪に問われていました。
判決のなかで裁判長は、「被告には過去に数回、視界がぼやけた直後に意識を失った経験があり、事故直前にぼやけを感じたときに的確にバスを停止すれば事故は回避できた」として、禁錮3年、執行猶予5年を言い渡しました。
バスの運転者に限らず、マイカーを運転している時でも、途中で体調がおかしくなることはあると思います。そのとき、無理をして運転することほど危険なことはありません。
自動車は自分で動くのではなく、昔から車は「人動車」と言われるくらい、車を操作する人がいかにうまくコントロールしていくことが出来るかにかかっています。
体調不良に見舞われると、その車をコントロールすることができません。運転途中に少しでも体調に異変を感じたら、すぐに安全な場所に車を止めて運転を中止するようにしてください。
(シンク出版株式会社 2020.6.25更新)
小冊子「健康管理と安全運転」は、健康管理を徹底していなかったために発生したと思われる、重大事故等の6つの事例をマンガで紹介しています。
各事例の右頁では、垰田和史滋賀医科大学准教授(医学博士)の監修のもと、運転者が日々気をつけなければならない健康管理のポイントをわかりやすく解説しています。