横断歩道では「手を上げて横断する」という安全教育が復活しつつあるというお話を少し前に紹介しました。
1978年より以前は交通の教則に「信号のない横断歩道を渡るときには手を上げて車の停止を確認してから横断する」と書かれ、全国の小学校では手を上げて横断する指導をしていました。
しかし、78年以降は指導内容が変更され「車の停止を確認する」ことは指導しても手を上げるという記述や指導はなくなりました。
実際に横断歩道で歩行者がいても止まらない車が圧倒的に多いので、車の停止する意思を確認することが重要で、止まらない場合は車の通過を待って横断するという指導が行われてきたのだと思われます。
ところが、最近、横断歩道で歩行者がひかれる死傷事故が目立っているため、各地で「手上げ」指導が復活したり復活を検討している都道府県が増えているのです。
手上げ指導復活を検討している京都府警などの実地調査では、手を上げてみると車が一時停止する割合が何もしないときの5倍以上になったということです。
このことは、逆にみれば多くの運転者は歩行者側が待つのが当然と考えているものの、手を上げた場合は仕方なく停止しているのだとも考えられます。
歩行者が手を上げなくても停止するのが本来の姿です。横断歩道の歩行者に常に配慮しながら運転しましょう。
(シンク出版株式会社 2020.7.6更新)
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