高齢者を乗せるときも3点式シートベルトを

 

 車椅子のお年寄りをそのまま車に乗せて送迎することがあります。しかし車椅子のままだとシートベルトの装着が難しく、死亡事故例があって介護施設などで課題となっています。

 

 さる6月19日、昨年11月に富山市で福祉車両と衝突した乗用車の運転者が過失運転致死傷罪で書類送検されたというニュースがありました。

 事故はデイサービスの利用者5人が乗った福祉車両と乗用車が衝突し、福祉車両に車椅子のまま乗っていた女性(当時94歳)が事故の2日後に死亡したものですが、衝突時に座席や補助椅子に座っていたほかの4人のお年寄りはいずれも軽いけがでした。

 

 事故は乗用車運転者の考え事が原因で起こったものですが、亡くなったお年寄りだけは車椅子のまま2点式シートベルトを装着したため、シートベルトが衝撃を緩和する腰骨の部分に当たらず、腹部を圧迫したほか、上半身が不安定になって前後に激しく揺さぶられたことで死亡したとみられています。座席に座っておられたら軽微な事故ですんだかもしれません。

 

 亡くなったお年寄りにシートベルトをしようとしたところ、肩ベルトが首にかかって危険と判断し2点式にしたそうですが、車椅子は自動車での送迎を想定して製造されていない物があり、2点式ベルトで腰をうまくホールドするように装着するのは難しいそうです。さらに3点式でないと急ブレーキや衝突時に上半身の揺れを防げないので、衝撃が大きく被害が拡大しがちとなります。

 

 介護施設の方はもちろん一般の運転者も、お年寄りを車に乗せるときはなるべく車椅子のままではなく、座席に座って3点式シートベルトをしてもらうようにしましょう。

 やむを得ず車椅子のまま乗車する場合は、車椅子固定仕様の車両で、3点式シートベルトがしっかり固定できる車載専用タイプの車椅子を使って送迎するように努めてください。

 

(シンク出版株式会社 2020.7.13更新)

■あおり運転の罰則強化を詳しく解説した改訂版を発売

 好評いただいている小冊子「ドライバー失格!危険・迷惑運転」に、あおり運転の罰則強化の項目を追加した改訂二版を発売しました。また、2019年12月から施行されている「ながら運転」に対する罰則強化も詳しく解説しています。

 

 「あおり」や「ながら」といった違反は企業イメージを大きく低下させてしまうため、対策の徹底が必要です。本書は普段の運転ぶりをチェックするところから始まりますので、従業員にもう一度運転行動を見直すきっかけを供与することができます。

 

 ぜひ本書を活用いただき、交通安全意識の高揚にお役立てください。

【詳しくはこちら】

今日の安全スローガン
今日の朝礼話題

12月11日(水)

サイト内検索
運行管理者 安全運転管理者 出版物 教材

──新商品を中心に紹介しています



──ハラスメント、ビジネスマナー教育用DVDを好評発売中です

運行管理者 指導監督 12項目 トラック 貨物運送事業所
交通安全 事故防止に役立つリンク集
安全運転管理.COM 交通安全 事故防止 安全運転管理 運行管理 教育資料 ドライバー教育 運転管理

当WEBサイトのコンテンツの利用、転載、引用については「当サイトのご利用について」をご覧ください。

弊社WEBサイト、出版物においては「普通自転車」を「自転車」と表記しております。

詳しくはこちらをご参照ください。